みなさんこんにちは。年の瀬でお忙しいこととは思いますが、如何お過ごしでしょうか。
今日は島村先生のとても面白い香炉をご紹介いたします。
香炉と言えばまず真っ先に頭に浮かんでくるのが、円形で三つ足があり蓋に細工が施してあるものですね。
そんな古の名工が手がけた香炉にリスペクトを送りつつ、島村先生が導き出した答えが今作です。
椿の花ではなくあえて葉をモチーフとし、葉を組み合わせることで立体として立ち上がらせています。
そして付け根の枝が組み合い、穴を作り香炉として機能を持たせる。
そして底部にお香がおけるようにし、完成へと導いています。
非常にウィットに富んだ島村先生らしいおしゃれな香炉です。
でも僕が一番すごいと思うのはこの形だからこそ「古き良き香炉」へのリスペクトが感じられるからです。
前述の「円形で三つ足があり蓋に細工が施してあるもの」を思い返せば、
葉が三枚と言うことでしっかりと三つ足になっており、きっちりと円形で蓋部分と本体の二部構成。
コンセプトは本当に古き良き香炉を完全に踏襲してあるんですよ。
ただ変わった形の現代風の造形で、外観を変えるのではない。
むしろその香炉の根底にあるものを受け継ぎ、自分と言うフィルターを通して表現する。
デコ スピリッツ
真の細工師の魂ここに在り
昔焼き物を作る人も買う人も売る人も想いをもって取り組んでいた時代があった。
そういうことを深々と考えさせられました。
島村先生の想いが一段と伝わってくる作品だと僕は思います。
size:8.4cm×8.0cm×9.5cm