本日の更新は備前の偉大なる功労者、桂 又三郎先生と共に古備前を研究され、
「末恐ろしい」と言われた鬼才、原田拾六先生のやや前作の備前乱張角皿です。
平成十六年頃の陶歴が同封されており、その頃の作品であると思われます。
古窯跡を桂又三郎先生と巡り歩きながら研究した古備前の技と、
己の中に眠っていた荒ぶる魂とがぶつかり合って一つとなった作品です。
陶芸作家といえば基本的に齢を重ねる毎に無駄な力が抜けていき、
繊細で柔らかな作風へと変化していくのが通例となっています。
しかし拾六先生の作風は齢を重ねる毎により激しく濃密に進化しており、
拾六先生の中に渦巻く強烈なエネルギーが作品に乗り移ったかのようです。
ベースとなる角皿自体だけで見てもかなり豪快さのある作品で、
石選りや練込みをあまりせず粗挽きのような状態で使用しています。
これにより粘土中の鉄分が煮え立って表面から噴出している他、
土肌をよく見ればマーブル状になっており、かなり大きい石が何箇所も爆ぜています。
そこへ砂混じりの質感の違う土を千切りながら張り付け、
どちらも荒々しい土ながらもベースの土と乱張土との対比を見事生み出しています。
二つの荒土の鬩ぎ合いが、岩を砕いて作ったかのような独特の世界観を作り上げています。
(原田拾六/備前乱張角皿 共箱)
size:径25.8cm×径25.5cm×高さ8.5cm price:¥70,000
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