皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
今週中頃には西日本地方でも初雪を観測し、
いよいよ本格的な冬到来となってまいりました。
皆様もくれぐれも体調管理などお気を付け下さいませ。
しかし、備前焼で言えば冬はシーズン真っ盛りでございます。
作風で言えば全体的に温かみのある色合いは見ているだけで心が落ち着きます。
また、使用感の面でもじっくりと焼き締められた備前焼は高い保温性で熱が逃げにくく、
備前の湯呑みで頂く温かいお茶は冬の楽しみの一つでございます。
そして何より作家さんからしても薪がしっかりと乾燥しており、
更に気温の低さは灼熱の作業となる窯焚きがしやすいので効率的だそうです。
当店でもまずは金重多門先生を皮切りに沢山の方の窯出しが近づいております。
HPとブログ上でも随時新作をご紹介できるよう企画しておりますので是非お楽しみに。
さて、本日は素晴らしい中村六郎先生の酒器をご紹介致します。
六郎先生が亡くなられる少し前、最晩年期に制作された逸品で、
土がうねるような力強い轆轤目が遺された造形となっており、
力強さの中に六郎先生らしい色気を忍ばせた力作でございます。
両方共一度水につけてみました所、窯変の方は緋色が一段と濃くなり、
まるで土の中に隠れていた色素が一気に表に出てくるかのようでした。
緋襷の方は濡れることで濃厚な緋色の艶がより増し、
柔らかでしっとりとした肌合いも手伝っていつまでも撫でていたくなります。
箱の状態や筋のように立った轆轤目、大きさなどの作風の特徴を見ても、
亡くなられる少し前の作品に間違いございませんが、
漲るようなパワーを感じる作風は本当に大正生まれなのかと疑ってしまいます。
寒い日にはこの二つで美味しい熱燗を頂きたくなりますね。
六郎先生の酒呑は晩年にかけてサイズが大きくなりますが、本作はどちらも8cm前後とかなり大きいです。
備前酒呑(窯変)
窯変の要である黒銀の灰被りと緋色のバランスが秀逸で、双方の魅力がしっかりと両立されています。
緋襷酒呑
こちらの緋襷も実に味わいがよく、土の良さが伝わってきます。
(中村六郎/備前酒呑・緋襷酒呑セット 共箱) price: 売約済
窯変 size:径7.8cm×径7.8cm×高さ5.4cm
緋襷 size:径8.0cm×径8.0cm×高さ5.5cm
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