西村春湖 作 木菟香炉

 皆さんこんにちは。今日は西村春湖先生の木菟の香炉をご紹介いたします。
大体このような鳥の細工物の細部は塊の上から絵を書くような感じで作るものですが、
この作品はなんと爪を本物同様に独立させて一本づつ作っています。

その他の部分も鬼気迫る程の作り込みで、あまりにも陳腐な表現ですが「まるで生きているような」としか表現できない仕上がりです。

 この見事さを伝えるために、こんな写真をとってみました。
爪の間に挟んでいるものはなんと爪楊枝の頭の部分なんです。
爪と爪との間にこんな細いものがしっかりと挟めてしまいます。

 もう一枚は横からの写真です。
この写真の止り木のように見えるもの。実はこれは爪楊枝なんです。
あまりにも細工が細かすぎて、爪楊枝すら爪の間に入リませんでした。

 この香炉が店に来た時にどうやってこの爪を作ったのか従業員の間で話題になったのですが、
結局は想像がつかないと言う結論に落ち着きました。
削り出しによる物かとも思うんですが、表面が滑らかでへらの跡が見つからないんですよね。
このような作品を作り出す西村春湖先生の技術力と根気に驚かされる作品と言えるでしょう。
[ 西村春湖 作 木菟香炉 ]NEW2010/02/06 14:40