本日は先程入荷した安人先生の伊部酒呑彩色&備前酒呑彩色のご紹介です。
2007年もっとも話題となった彩色作品ですが、今までの「紅」「青」「金」に加え、
更に「銀」と「緑」の二色が加わり五色となった作品(5color Edition)です。
銀は金よりも照りが少なく、燻し銀のようにさりげない輝きを持っております。
緑は青から派生しており、エメラルドグリーンの強烈なインパクトが効いております。
この五色「紅、青、金、銀、緑」を備前陶のキャンパスに塗っていくわけですが、
実はこの構成を考える、バランスを設定するという作業が一番難しいのではないでしょうか?
それではまず、キャンパスの前提から考えていきましょう。
スケッチ、水彩画、油絵に使われるキャンパスとは一体どのような物かちょっと想像してみて下さい。
一面の白色、余白空白のみで構成されている状態ですよね?
私のような一般人なんかは、そこから「自由」に絵を描いていくのが一般的な作業となります。
※(芸術家、アーティストが行う芸術と認知される行程とは別と考えて下さい。)
この圧倒的余白における「自由」が、実はこの作品を制作する過程では存在しません。
だってもう既に土味と胡麻や桟切り等で「絵画」としてはある意味完成していますから。
ここに手を加えていくという事は非常に難しい事だと僕は思います。
100%構成が完成していて、ほとんど空き容量がない状態から手を加えるんですから、
数式としては完全に破綻しており、完成品は膨張し破損した状態となってしまうはずですね。
しかし数式では解明出来ない部分に挑めるのが「芸術」の素晴らしさであり良さです。
「何故か解らないけど、見ていて楽しい」「言葉では言い表せれない良さがある」
ここらへんのまるで虚数みたいな不思議な力で完成品を完成させてこの作品は完成しました。
破綻せず破損せず完成度を落とさず構成していく。
ただ色を彩るという行為ですが、これってもの凄く難しい事なんじゃないでしょうか?
安倍安人 作 伊部酒呑彩色&備前酒呑彩色(5color Edition)
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