皆さんこんにちは、今日も前回同様相賀真志郎先生の新作をご紹介したいと思います。
今回の作品は長い沈黙と試行錯誤の果ての新たなる挑戦として、
相賀先生らしさをふんだんに盛り込んだ豪快な鶴首徳利です。
かの有名なトシワスレを髣髴とさせる桟切りと丸抜けを備えていますが、
相賀先生の十八番である磯の岩礁のような激しい桟切りで抜けを形取っていますので、
白と黄の色彩の潮流が押し寄せてくるような豪快な景色になっています。
一般的に備前鶴首といえばやはり海揚がり古備前を目標とした緋襷の上がりが多いですが、
相賀先生は古備前を敬愛すればこそ、自分なりの景色で鶴首という遙かなる高みへと挑戦しています。
胴部の丸抜けの部分の赤に関しても自分なりの景色を選択しており、
甘い赤などではなく相賀先生らしい徹底的に焼き抜いた強烈な赤紫色としています。
古備前時代の陶工と同じ仕事をもし自分が受けたとしたらどうするか?
そのような問いかけが長い沈黙の間に去来したやも知れませんね。
本日夜八時の更新で伊部酒呑も出品致しますので是非ご覧下さい。
濃厚な抜けの土味はキンキンに焼き抜いたハードな赤です。
成形後に箆で鞣した跡が、桟切りにも影響を与えています。
太く力強い首は歴戦の猛将の如くです。
これだけ焼かれていながらも濡れたような風合いの相賀桟切りはいつ見ても不思議です。
土味と桟切りの間には鉄分の滲みによる黒が出ており激しさの中に様々な変化を内包しています。
(相賀真志郎/備前茶碗 共箱製作中)
size:径10.3cm×径10.2cm×高さ16.8cm price: 売約済
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