皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日は先日窯出しされた金重潤平先生の新作の中から、
極上の景色が出たおすすめの作品2点をご紹介します。
現在大変ご好評を頂いております潤平先生の新作ですが、
土味の良さと焼き込みのバランスが今回は特に素晴らしかったと思います。
まず備前焼における焼き込みと土味はいわゆる反比例の関係です。
強く焼き込めば焼き込む程に、土味から生命力とでも言うべき瑞々しさは失われます。
その逆もまた然りで、土味を残すよう甘い窯焚きをすれば面白き景色は現れ難いものとなります。
曲芸師の綱渡りのようにその隙間を渡り歩くのが窯焚きの常ですが、
今回の窯焚きでは御し難い炎と土を見事制御した大成功の窯焚きでした。
そんな大成功の窯焚きの作品群の中でもHP上では、
見事な緋色とカセの出た「柔和な美」を持つ酒器をご紹介させて頂きましたが、
今回の記事ではもう一つの側面である「豪快な美」を持つ酒呑をご紹介したいと思います。
柔和な美を持つカセ胡麻が今までよりも更に美しくなっていたのと同じく、
この黒胡麻の作品もまた今までよりもより激しく、そしてより深みを増しております。
備前酒呑1
こちらの酒呑は水色がかったカセ胡麻、そして黄胡麻、更にその上に焦げ胡麻が乗り見事です。
土味も一風変わっており、土の中の鉄分が火に引っ張られるように滲み出しており、
高台周りに黒い窯変として出現したり、土味全体を艶めかしい色合いへと変化させています。
少し分かりづらいのですが、口縁部の裏側にもびっしりと青い胡麻が出ており、
これがまるで霜が降りたかのようで、炎熱を感じさせる焦げ胡麻ととても面白い組み合わせになっています。
備前酒呑2
こちらの作品は潤平先生の酒呑の中でも珍しい平型の作品です。
先ほどの作品と同じ激しい焼き込みによる焦げ胡麻や青胡麻が出ていますが、
全体の表情は打って変わってまるで濡れているかのようになっています。
焦げ胡麻もまるで水気を含んでいるかのように艶のある黒色となっており、
ネットリとした明るい茶色の土肌はツルツルとした心地よい質感となっています。
金重家の茶碗などで用いられる、焼き込む事で生まれる艶やかな質感を全体に纏っています。
(金重潤平/新作酒呑各種)
備前酒呑1 size:径6.9cm×径6.8cm×高さ6.2cm price: 売約済
備前酒呑2 size:径8.0cm×径7.9cm×高さ3.9cm price: 売約済
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