皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
備前地方でも底冷えのする日が続き、私も少し体調を崩しておりました。
お客様よりここ備前の雄町米を使ったお酒の情報をお教え頂きましたので、
それを呑んでしっかりと体を温めて行こうかと思っています。
さて、先日の記事にも記載しましたが、隠崎隆一先生の新作をご紹介していきたいと思います。
今日の第一弾はピラミッド型に粘土が組み上がったようなとても斬新な徳利です。
実物を手にとって見ると、パーツ毎に分離するのではないかと思う程に精巧です。
おそらくは神経を擦り減らす程に、一削り一削りを丁寧にされたのだと触った瞬間に感じます。
焼き上げ方もしっかりと計算されており、緋襷部分と土肌部分で綺麗に分かれています。
作品の立体感を損なわないように縦方向に緋襷が巻き上がらない、
段差を活かした平面的な処理での緋襷掛けを心掛けられていますね。
隠崎先生は土を土と思わせないデザイン力が本当に凄いと思います。
更にその上で土もの、備前焼でしか出来ない景色を作品に盛り込んでおり、
土でしか出来ないデザインを、土らしさを消して表現し、土ものでしか不可能な焼きで完成に導いています。
削ったりくっつけたり立体としての面白さなどの、造形美という表面的な言葉では捉えることの出来ない、
土という素材の振れ幅を最小値と最大値で自在に操る凄みがあります。
茹で上がって染まっていくような緋襷は、表面的な2D処理に留められています。
肩口にはパラパラとした胡麻はかかっていますが、あくまでも細かく小さな胡麻で3D側に入り込まないようにしています。
見る角度によって全く印象が変化する、3Dとしての楽しさがあります。
陶印部分の段差も4つの頂点と辺に対して平行にならないようにしてあり流石ですね。
(隠崎隆一/備前酔器 size:径10.8cm×径9.6cm×高さ14.1cm 売約済)
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