皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日の新春特別企画は第六弾として金重道明先生の伊部鉢をご紹介します。
金重道明先生が逝去されて今年で丁度20年となります。
今なお多くの愛陶家を魅了してやまない道明備前の魅力がたっぷりと詰まった逸品です。
本作は箱書きに「初窯庚申」と記載されており、1980年制作の作品となっています。
また、岡山高島屋にて開催された金重道明作陶展の出品作で、
その当時お買い求めになられた方から直接分けて頂いたものです。
剛先生にお話を伺うと、1980年に築いた窯は元々金重陶陽先生の窯で、
大変気難しい窯だったのですが、道明先生の窯焚きに合わせて改良されたものだそうです。
それ以後の作品はこの窯で焼成され、没後は息子である巌先生と剛先生に受け継がれたそうです。
私見ですが未だに衰えない道明先生の人気の秘密はここにあるのではないかと思います。
陶陽先生や素山先生という大名人の作陶を間近で見ながらも、
道明先生はただそれを模倣しただけの物は作っていません。
あくまでも自分の焼きを模索し、陶陽先生の窯を自分流に改良したように、
作風もまた自らの持ち味を活かしたとびきり真面目で一際丁寧な道明備前を確立されています。
それこそが色褪せない魅力となって、今も愛陶家を魅了し続けるのでしょうね。
土を第一に考える教えを守り、自らの美を磨く。
素晴らしい窯変と真面目で素直な作風がベストマッチです。
裏面もまるで夕焼けのような見事な緋色に。
市販の陶土を使用してみると、この土味を出すことの大変さが身に沁みてよく分かります。
この緋色が濡れる事でさらに美しく発色します。
釉薬を用いない備前焼ならではの変化ですね。
(金重道明/伊部鉢 size:径31.8cm×径31.8cm×高さ6.1cm ¥350,000)
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