皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日の新春特別企画第七弾の更新は、金重晃介先生の備前手鉢のご紹介です。
先日の更新で兄である金重道明先生の伊部鉢をご紹介させていただきましたので、
今回の記事と見比べて頂くと新たな発見があるやも知れません。
今回の作品は、金重晃介先生の窯出しの際に見掛けて一目で気に入った作品です。
金重一門らしい手間暇を掛けた土作りによって大変素晴らしい窯変となっております。
その土作りはまるで祈りにも近しい清らかさすら感じさせるものであり、
その清らかさや尊さ故に、その道を往くことの険しさを感じさせるものでもあります。
そのか細い祈りによって手繰り寄せられた奇跡の土味が、美しさと儚さを併せ持っており、
備前焼の中の侘び寂びに良く似合っているのだと感じます。
金重晃介先生の作品をお買い上げ頂く時などにお話させて頂いているのですが、
窯出しや鑑定などで金重晃介先生の工房へお邪魔させて頂く際に、
いつお伺いしても必ず整理整頓された状態でお出迎え頂いています。
やきもの作家の工房といえば試行錯誤のるつぼのようなものであり、
飛散した泥漿や土を削った欠片等で散らかっているのが当然なのですが大変異質です。
金重晃介先生の工房では削った欠片等は必ず一箇所にまとめられ、再利用される時を待っています。
金重一門らしい土を大事にする教訓だな、と思いそのままお客様にお話していましたが、
今回の記事を書き起こしてみて、なるほど祈りを捧げる教会のようであると認識を改めました。
口縁部の反り方、斜めに入った櫛目だけで晃介先生らしさが出ています。
灰被りと黄胡麻の黒と金に、緋色の抜けが相性バッチリです。
裏面の橙色系の柔らかな土味が、あばた高台によってねっとり感を更に強調されているように思います。
(金重晃介/備前手鉢 size:径27.7cm×径26.4cm×高さ15.4cm ¥300,000)
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