皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日の新春特別企画は第八弾として、島村 光先生の備前枡のご紹介です。
高いデザイン力と情緒豊かなセンスで現代細工のトップを走っておられます。
また大変寡作でとても高潔なポリシーを持った名工と呼ぶに相応しい方です。
島村 光先生の枡といえば一合枡が最もポピュラーですが、
本作は一升枡となっており、大変存在感のある作品に仕上がっています。
これだけの大きな箱型の造形ですが歪みやひび割れなどが一切無く、
驚くべき精度で土の厚みなどを計算して制作されていることが分かります。
特に球体状ではなく板を張り合わせた立方体に近い造形ですので、
破損や変形の危険も格段に高かったのではないかと思います。
それだけ高い技術で制作されていますが、その技術を鼻にかける事無いので、
島村 光先生らしい飄々とした雰囲気があり気軽に楽しく使えそうです。
節分が近いので豆などを入れられても面白いかもしれません。
よく見ると枡の組み合わせ部分は象嵌で表現されています。
この内面の平坦で凹凸のない美しい処理には驚かされました。
新たに使用されている陶印は「振り返る馬」だそうです。
新春特別企画 巨匠たちの器展如何でしたでしょうか。
書き手として作品単体を見るだけでは分からなかった事が、
連続記事の別作品と比較することで色々と発見に繋がったように思います。
使いながら作り手の気持ちが感じられるのが備前焼などの工芸品の良い所だと感じます。
目で見て肌で触れて唇で味わう。そして焼き締まった音を聞き、良い香りに誘われる。
そうやって五感を通して作り手との語らい、ぶつかり合い、打ち解け合う。
これからも感動して頂ける器をご紹介できるよう努力していきたいと思います。
巨匠たちの器展ご覧頂きありがとうございました。
(島村 光/備前大枡)
size:径18.3cm×径18.4cm×高さ9.2cm price: 売約済
作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。
Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220
川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)