皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
森本良信先生の新作展、大変なご好評を頂いております。
森本先生とかなり長い期間準備をしてきましたので、
皆様からのありがたいお言葉を頂き本当に嬉しく思っております。
さて、今回の新作展ではテーマ別に作品を分類解説していきたいと思います。
まず第一弾は室町期シリーズを解説させて頂きます。
室町期といえば大窯で焼かれ、庶民の生活用品として大変な人気を誇っていた時代でした。
北は北海道、南は沖縄まで備前焼の陶片が出土しており大変な人気であったようです。
今回は室町期の庶民の為の道具としての側面を強調して制作して頂いており、
「正面を決めず、敢えて適当に積み重ねて焼き上げる」を実践されています。
作りに関しても粘土を紐状にする紐作りの接合跡を消したり、
造形上過度な装飾や仕上げを施さず、実用重視のありのままの造形としています。
鎌倉~室町期の装飾といえば波状紋と呼ばれる波打つ櫛目です。
写真の左には繋ぎ目が写っており整え過ぎない作りになっています。
元の鳶口小壺はもう少し大きく、油壺などに用いられていたそうです。
焼成時にはこのように雑多に重ねて、敢えて景色の概念を考慮せず火を入れたそうです。
重ねてみると景色が繋がているのが分かります。
敢えて自然な焼き上がりに任せる事で、土のうぶさが出たと森本先生は仰られていました。
うぶな土は変化の幅が大きく、自然に任せた緋色は嫌味がありません。
また、うぶであるが故に濡れることでえも言われぬ味わいとなります。
室町期シリーズの作品(記事に使用したものです)