皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
今日は森本良信先生の新作展解説の最終回として、
自由な発想で作られたというシリーズを解説していきたいと思います。
ただ、この作品のコンセプトで言うと解説することは殆どありません。
自由な発想、つまりそれは使い方も自由であるように、と作られています。
今までの四つの世界観の中で、古陶磁の名品たちから学び写してきた事を統合し、
様々なテクニックを盛り込んでいますがとにかく自由に楽しく使えるようにと考えられています。
森本先生は今回の自由な発想シリーズについて語られる中で、
「この作品は僕が大好きなローリング・ストーンズのようなものなんです」
「ブルースやクラシックなど色んな音楽を取り込み、それでいてオリジナルな世界を作っている」
「そういう風に有りたいなと思い、とにかく焼物を楽しんでもらえるように作ったシリーズです」
「ですが、ただ自由奔放に作るのではなく、僕の気質としてルーツを求めてしまう」
「だから古陶磁からのインプットがあるから、自由な発想シリーズも成立するんです」と仰られていました。
これまでの五つのシリーズのどれもが森本作品を構成する重要なパーツであり、
そのパーツの核には少年のように純粋な、やきものを愛するという気持ちがあり、
それがあるからこそ五つのパーツが駆動して素敵なモノを生み出しているいるだな、と強く感じました。
今後の森本良信先生から生み出される新たな世界についても是非ご期待下さい。
皆様今回の森本良信 新作展をご覧頂き、本当に有難うございました。
紐作りによって成形され、その後に箆で面取りを施されています。
紐作りという古備前の世界と、面取りの現代感覚がマッチしています。
斬新な楽茶碗を思わせる造形が素敵ですね。
こちらは筒片口と命名された新解釈の片口酒注です。
図鑑を捲れば筒茶碗、花入、湯桶など色んな物に見えてきます。
晩酌を楽しむ現代の生活にあった造形です。
小服碗です。自由な発想シリーズの中でも、特に使い方を選ばない器です。
楽茶碗を一回り小さくしたような丸みのあるフォルムは、
古典からヒントを得たと知った上で見ても、とても現代的なフォルムだと感じます。
抹茶の他、焼酎カフェ・オ・レ湯呑となんでも自由に出来ます。
自由な発想シリーズ(記事に使用したものを中心に一部抜粋)
・緋襷酒呑