皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
今日は森本先生の新作のご紹介第三弾となります。
今回の作品は僕も一目で気に入った白化粧の片口です。
李朝鶏龍山を思わせる落ち着いた色合いの白化粧と大胆な鉄絵が魅力の作品です。
清潔で華やかな白も素敵ですが、ここまで枯れた白も中々無く、侘び心を刺激される逸品です。
勿論お酒注ぎとしてご使用頂けますが、片口小鉢としてご使用頂くのも中々雰囲気があると思います。
写真上が稲わらを刷毛にして白化粧掛けを施した「絵刷毛目片口」、
写真下が白化粧の流し掛けによる「鉄絵片口」になります。
(刷毛塗りではなく、総釉掛けではないので鉄絵となります)
本作の化粧掛けは全て細い稲わらを束ねて行っています。
こちらの作品はその稲わらによる化粧掛けの影響がよく出ており、
程良いムラや勢いを感じさせる掠れは外連味がなく必要最低限の手入れになっています。
その無駄の無さが用の美を生み、侘び心をとことん擽るのでしょうか。
以下は「鉄絵片口」です。
こちらは流し掛けによる「鉄絵片口」です。
刷毛目によるムラの無い分、白化粧の柔らかな色合いが楽しめるようになっており、
さらに鉄分の黒い粒がよりはっきりと出ており、今作の特徴である枯れた白化粧を堪能できます。
森本先生の侘びた白化粧作品、如何でしたでしょうか。
何故、まるで何十年と使い古されてきたかのような枯れた白色が心に響くのでしょうか。
最新鋭のステンレス材の残酷なまでの輝きよりも、使い古された鉄瓶の渋い肌に魅了されるように、
贅沢な光沢を放つ新品の木材よりも、古民家の黒ずんだ梁や古民具に心ときめくように、
日本人の美の価値観にピッタリと合致する「無常感」を、
朽ち枯れて散っていく「死生観」をこの白化粧が表現しているのでは、と思っています。
(森本良信/絵粉引片口 size:径14.7cm×径11.2cm×高さ8.0cm 売約済)
(森本良信/鉄絵片口 size:径14.3cm×径11.0cm×高さ7.9cm price:¥20,000)
(※造形上注ぐ際にお酒が垂れやすくなっています、拭き取ったり器に馴染ませるなどしてお使い下さい)
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