皆さんこんにちは、今日は伊勢崎淳先生と晃一朗先生による黒作品共演となります。
晃一朗先生は独立後に自分専用の窯や土で作品を手がけておられるので、
同じ「黒作品」でも淳先生とはかなり違ったアプローチとなっています。
更に本日の作品は先日HPにUPしました引出黒酒呑となりますので、
同じ黒でも見比べてみると様々な違いがあり面白いですよ。
両方共に横に寝かせて焼き上げられた作品で、虎の縞模様のような景色となっています。
背中に積もった松割木の灰がある程度集積して、水滴の如く重力に引っ張られて滑り落ちたものです。
それが作品の真正面に集まり、つららのように球体を作っています。
また、接地面に対してくっつかないように、貝殻を置いて空間を作っています。(貝跡とも呼ばれる特徴的な景色)
淳先生の接地面はボールの右脇部分の白い箇所、晃一朗先生は横縞模様の先端の白くなった箇所がそうです。
ここで見て頂いても分かる通り、淳先生の引出作品は胡麻がかなり透明化しております。
おそらく両作品ともに松割木のみで焚かれたのですが、晃一朗先生の方は金の絵の具のように、
淳先生の方は透明化してまるで琥珀やべっ甲のようになっています。
では、更に近づいて見てみましょう。
いかがでしょうか、近寄ってみるとかなり違いがはっきりと分かります。
晃一朗先生の胡麻を見ても分かる通り、元々土と灰では伸縮率が違うので貫入が入ります。
それが引出技法によって更に細かな貫入となり、まるでクリスタルのように変化しています。
対する引き出さない胡麻の濃厚な景色は、涼やかな黒のキャンバスに描かれた金の絵の具とでも言うべきです。
どちらもそれぞれの良さがあり、黒作品の奥深さを物語っていますね。
:伊勢崎 淳 備前引出黒酒呑(共箱) サイズ径7.1cm×7.2cm×高さ6.7cm
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