手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展のお知らせ

 皆さんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
近所の山々もかなり紅葉し、文字通り山吹色がかって参りました。

 さて、本日はブログ限定の小さな企画のお知らせでございます。
丁度今、何の縁か当店には沢山の宝瓶と香炉が沢山集まっています。
そこで一日一個、当ブログにてその宝瓶や香炉をご紹介させて頂こうかと思っております。

 宝瓶や香炉とは小さいながらも非常に手間暇のかかる作品で、
完成までには大変な努力と大量の時間が必要とされています。
ある意味酒呑や湯呑を百個二百個と作るほうが「速い」でしょう。
しかし、それは逆に宝瓶や香炉の作品としての「密度」の高さを証明しているのではないでしょうか。
勿論酒呑や湯呑に力を注いでいないとか簡単に作れるとかを言っているわけではありません。
しかし制作にどうしても時間がかかる以上、作品と自己が触れ合う時間が多いのもまた事実です。

 作家という樽の中でどっぷりと漬かった濃密なブランデー。
それこそが僕の宝瓶や香炉に対する率直なイメージです。
備前焼をイメージする中でもっとも直感的に浮かんでくるのが、料理や飲食物のような印象です。
時間をかけすぎてもかけなさすぎてもダメで、
おいしい(美しい)という不確か且つ万人共有の想いに向けられている。
様々な技法が確立されていて、秘伝の手法などが受け継がれていたりもする。
もっと簡単に言えば、焼くという行為自体がやはり料理をイメージさせるのかも知れません。
濃厚で芳醇なブランデー、優雅に香り立ち渋さ際立つ名脇役。
そんなイメージでご紹介したいと思っていますのでよろしくお願いします。

 期間は来週22日から、一日一個ブログに記事をアップする形式でご紹介しようと思っております。
それでは是非ご高覧頂けますよう皆様よろしくお願いします。

[ 手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展のお知らせ ]企画2010/11/19 16:43