皆さん明けましておめでとうございます。
今年も川口陶楽苑と当ブログをよろしくお願いいたします。
これからもより良い作品を皆様にご紹介出来るよう、頑張りたいと思います。
さて、2009年も始まった訳ですが中々景気が悪いようです。
世界恐慌を受けての大企業の赤字、さらに派遣社員の大量リストラと暗いニュースが多いです。
そんな厳しい不況の中では、やはり人の心も荒んでしまいがちです。
最近よく耳にするタクシーを狙った強盗事件などがその最たるものでしょうか。
「犯人は60代ぐらいの男性で」などと聞くと、とてもやるせない気持ちになります。
暗い不況の影で、荒んでしまった人の業というものなのでしょうか。
本当に悲しい事件が多いです。
僕はこのような時にこそ、何かの心の支えが必要であると思います。
それは家族でも、友人でも、恋人でも、ペットでも何でも良いです。
凍える様な吹雪の中でも身を寄せ合っていけるようなものがあれば、
ほんの少しは暖かな気持ちでいられるのではないでしょうか。
それがもし備前焼であったなら、紛いなりにもそれに関わるものとしてとても幸せであると思います。
備前焼は生活必需品ではありません。
無くても生きていけますし、言わば「贅沢」というカテゴリーの中に類するものです。
そしてこの不況の中で、果たしてどのような存在意義があるのでしょうか。
備前焼の酒呑を煮て食べる事も出来ませんし、備前焼の毛布や住宅も存在しません。
わざわざ他の選択肢がある中でお客様に選んでもらい、使用して頂くものです。
例えば湯呑なら、紙コップやプラスティックのマグカップがあるにも関わらずです。
ならばそこにこそ備前焼本来の存在意義があるのではと思います。
見えるものだけではこの世界は成り立ちません。
感情や気持ち、心といったものも確かに存在し世界を形作っています。
「持ち主や周りの皆の心を豊かにする」
これが備前焼が本来持っていた、純粋な存在意義ではないでしょうか。
このような時代であるからこそ、その意義をしっかり再確認するべきだと僕は思います。
身も心も凍てつくような冬だからこそ、身も心も温められる作品が求められています。
僕もそんな作品をご紹介出来るよう頑張りたいです。
長々と稚拙な文を書いてしまいましたが、これを抱負として締め括らせて頂きます。
心から皆様のご多幸をお祈り申し上げております。