皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
突然ですが皆様の中には伊部の町に来られた事がある方も多いのではないでしょうか。
伊部の町には観光スポットとして人気の、故伊勢崎 満先生のギャラリーがあります。
茅葺屋根で有名な工房兼ギャラリーの陽山居と、その向かいにある陶魚庵です。
そこには伊勢崎 満先生が生前に制作された見事な緋襷大徳利が飾ってあります。
金重陶陽先生も羨んだと言われる伊勢崎流の華やかな緋襷が、
大変迫力のある大徳利に巻きつきとても印象深い作品です。
その大徳利は非売品ですが、その見事な作行は一度ご覧頂くと目に焼き付きます。
どうしてもその緋襷の大徳利を入手し飾りたいというお客様の依頼で、
伊勢崎 紳先生にご無理を言って制作して頂いたものがつい先日完成したとのご連絡を頂きました。
巨大なサヤを使用して焼く為に、窯の中でも特定の二箇所しか設置出来ず、
採算度外視で三窯もの挑戦を経て完成に漕ぎ着けた見事な作品です。
大徳利の口が極端に窄まった形状は、焼き上げるだけでも大変な作業となるそうです。
そうした中で奇跡的な確率で美しい緋襷と大徳利の造形が同時に成功し、
紳先生も会心の出来に満面の笑みが溢れておられました。
伊勢崎 満・紳親子の高さ50cmを超える特大の徳利二対をこの目で見られたことが、
やきもの屋として何より幸せな事だと深甚に思います。
高さは約55cm、幅も大きいところで約30cmとなりますが、
口縁部は幅約7cm、内径は実に親指が入る程度になっています。