皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
今日は中村六郎といえばこれを思い浮かべる方も多いと思われます。
緋色の甘い土味が出たカセ胡麻の酒呑のご紹介です。
この作品は先にご紹介させて頂いた3点の酒呑より少し時代が古く、
作行の変化なども見比べて頂けると面白いと思います。
熟れた柿のような見事な発色です。
甘い土味はお酒の味わいを何倍も引き上げてくれそうです。
カセ胡麻のモスグリーンの深い味わいが素敵です。
この渋いカセ胡麻があればこそ土味もまた輝いているように思います。
先の三作に比べて口縁のうねりがやや大人しめになっています。
こちらが高台です。やはりこちらの動きも先の三作よりもどことなく穏やかですね。
グルリと円を書いた後に切れの良い箆離しが見事です。
如何でしたでしょうか。
中村家の冴え返るような見事な緋色の源流がここにあります。
酒に濡れる事でより見事な緋色となる本作は、
ゆったりとした造形と合わせて最高の使い心地となるでしょう。