皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
前回からまたもや間隔が空いてしまいましたが、
引き続き今回も曽我先生の作品をご紹介していきたいと思います。
ブログやHPでご紹介させて頂いた作品も、多くの愛陶家の方よりご好評頂き、
曽我作品の世界が多くの方の心に触れた事をとても嬉しく思います。
とくに当店にご来店頂いたお客様からの評価がとても高く、
曽我作品の特徴である「光沢感・質感の良さ」によるものであると考えております。
今回ご紹介するこの徳利もまたその特徴をとてもよく表している作品です。
激しい灰被り、そして土肌に表れた銀彩による、「二つの銀」が楽しめます。
如何でしょうか。
煙突すらもない特異な窯にて限界まで焼き抜いただけあって、
肌に張り付くような強烈な灰被りが出ています。
では何故こんな烈々たる窯変を携えた徳利が「矛盾ノ器」なのか?
ご覧頂いた方は皆さん驚かれるのですが、触り心地が驚くほどに滑らかです。
何百年何千年と激流を流れて摩耗した川石のような、
僅かな凹凸のみが主張するだけのとても柔らかい質感になっています。
この質感や水中の流れによる摩耗というキーワードで思い出すのが、
ちょうど曽我先生と一緒の折に、あるコレクターの方から拝見した古備前の小鉢です。
俗に「海揚がり古備前」と称されるその作品は海中より引き上げられたものであり、
青みがかった濃厚な桟切り窯変が口縁にかけて出てはいるのですが、
肌に吸い付くような柔らかな質感となっており手にとって感動した記憶があります。
灰被り窯変の反対側の黒みの強い土味もまたよく似ており、
「矛盾ノ器」らしい古備前に迫る美を堪能するとともに、
懐かしい気持ちになった一本であります。
注ぐ時の音がこれまた素晴らしく、「コッコッコッ」と小気味よい音を奏でてくれます。
また、黒みの強い渋い土味は何よりも濡れた姿が最高に美しく、
水に濡らして眺めているだけでその立ち姿に酔わされそうです。
(曽我 尭/備前瓢徳利 共箱)
size:径8.3cm×径8.2cm×高さ16.8cm price: 売約済
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