皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
今日でゴールデウィークも最終日ですが、どのようにお過ごしでしたでしょうか。
当店でも沢山のお客様にご来店頂き、誠にありがとうございました。
片付けなども一段落しましたので、前々からご紹介したかった珍品を記事にさせて頂きます。
お客様からお借りして飾らせて頂いていた、金重素山先生の「布袋置物」です。
金重素山先生の細工物自体が大変珍しく、私は今回のもので初めて拝見致しました。
金重陶陽先生や金重楳陽先生の型とも違うオリジナルの布袋です。
お腹を外すと「七郎左エ門 二十七才 春」と彫り込まれており若いころに制作されたのが分かります。
ただ、胡麻と土味自体は明るく爽やかで、もしかすると制作から後年に火を入れたのかとも思います。
大きく凹んだ顔は満面の笑みを浮かべており、桃山後期に生まれた最初期の細工物に通ずる、
精巧さや緻密さではなく、味のある独特のユニークさで人の心を掴む魅力があると思います。
この柔和な表情は金重素山先生の人となりや作陶姿勢が如実に現れているといえ、
後に金重素山先生が円山窯や牛神下窯で手掛ける茶陶や酒呑の中にある、
「もっちりとした柔らかい膨らみ」「ゆったりとしたリズム感」と同じ呼吸を感じ取ることが出来ます。
現在も当店で展示させて頂いておりますので、是非ご来店頂きご覧下さいませ。
細工物によくある堅く焼き締まった感じではなく、柔らかな土味となっています。
大変高い技術で制作されていますがそれを感じさせず、見ているだけでリラックスしてしまう柔和な表情となっています。
本名の「七郎左エ門」の書き込みがあります。