皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
少し日が長くなったような気も致しますが、まだまだ寒い日が続きますね。
さて、本日は名工 金重素山先生の極上の酒器二点をご紹介致します。
有り難い事にこちらの作品は店頭で即売約となってしまいましたが、
どちらも稀少で味わい深い窯変が出ておりますので是非ご覧頂ければと思います。
①カセ窯変酒呑
一点目はカセ窯変の酒呑です。
片面は灰が隆起した激しい灰被り窯変、もう片面は柔らかな榎肌のカセ胡麻が出ています。
②窯変盃
二点目は灰被り窯変の盃です。
片身は青鼠色の通称”ナマコ肌”が、もう反面は緋色と炭化紫銀の灰被りによる通称”マグマ窯変”が出ています。
金重素山先生の極上窯変の片身替わりは如何でしたでしょうか。
今回の作品のように窯の中の数センチ刻みの微妙な場所の違いによって、
温度や焼成条件に違いが生まれ、丁度国境線のように窯変が分割される事があります。
片面は焼成時に発生する熾に埋もれて灰被りとなる一方で、
剥き出しとなったもう片面は火の具合や壁や桟の配置で全く違う表情を見せる。
本来の「片身替わり」とは着物の仕立てや施釉陶での釉薬の掛け違いを言うものですが、
備前にもまた火の神や窯の神による仕立て違いの片身替わりが存在します。
無釉焼き締めによる曖昧な境界が二つの景色の間を取り持つことによって、
景色の激しい切り替わりがあっても自然体で存在することが出来ております。
施釉陶も手掛けられた金重素山先生ならではの備前の魅力の引き出し方ではないでしょうか。
本日5日の夜20時のHP更新では同じく金重素山先生の緋襷盃をご紹介したいと思います。
昭和50年頃に手掛けられた緋襷酒盃で、その頃の特徴として焼きの強い緋襷となっています。
金重 ?先生曰く「素山は孫の代でも使いきれんほど土を集めておったんじゃ」とのことで、
素山先生自ら厳選した良土を使用した、電気窯による桃山調の緋襷作品となっています。
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