皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日9月16日(土)より、金重陶陽先生の没後50年展が開催されております。
昭和42年(1967年)にこの世を去られてから50年経ちますが、
未だに多くの人々を魅了する陶陽先生の名品が多数展示されます。
これだけ長きに亘って人々を魅了し続ける作品を生み出す原動力、
魅力的な陶陽作品の源となったものは何だったのでしょうか。
陶芸の道において非常にストイックで他者に厳しく、
そして誰よりも自分に厳しかったと言われる陶陽先生ですが、
その厳しさの根底にあるのは、やはり良い作品を残そうという強い想いだったと感じます。
桃山期の名も知らぬ名人たちが残した圧倒的エネルギーを放つ逸品と対峙し、
己が作品もまた後の世に残るならば、何を為すべきなのかと考えられたのではないでしょうか。
時代時代で散発的に偶然発生したものではなく、
人々の生活や心に寄り添いながら成熟してきた備前焼ですが、
陶陽先生の残した名品と、幕末明治期の備前焼、さらに江戸桃山室町の古備前、
それぞれが独立して点在する事象ではなく大きな一つの道のりとして見た時に、
自分自身その道において時に俯瞰しつつ時に全力疾走しつつ、
そして時には横道に逸れながら自分もまた新たな道を紡ぎたいと強く思いました。
金重陶陽 作 備前枡 酒呑ニモ
一般には茶道具用の蓋置として制作されたと言われている枡ですが、
今回は晃介先生に「酒呑ニモ」と箱書きして頂きました。
丁度持ちやすい大きさで、角から口を窄めてお酒が呑めます。
細工物から轆轤物への転換期である土点時代の作品で、
当時細工物に使用されていた水簸土を使用しており、
カッチリとした堅く焼き締まった土味が特徴的です。
備前手の場合は全体的に均一に茶色の土肌となりますが、
本作は比較的珍しい、やや半身が自然な黒色に焼き上がったものとなっています。
京枡をモチーフにした字印も、丁度胡麻で隠れること無く、
メリハリの有る景色と細かな細工の両方が楽しめるようになっています。
(金重陶陽/備前枡 酒呑ニモ 晃介識箱)
size:径5.8cm×径5.8cm×高さ4.3cm price: 売約済
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