皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
先日、金重陶陽先生の珍しい作品が入荷しました。
箱無しの状態で出ましたので、湯冷ましであろうということで仕入れましたが、
晃介先生に箱書きをお願いしに伺うと「陶陽作 備前片口 オ酒ニモ」と、
珍しい片口(酒注ぎにも)として箱書きをして下さいました。
容量が約1合程入り耳があって持ちやすく、酒注として丁度良い作品です。
石爆ぜの多いキャラメルブラウンに発色した土は、とても柔らかさが際立っています。
本作もまた陶陽先生が最晩年に使用された観音土で制作されているそうで、
観音土の中でも鉄分が少ない土を使用し酸化ぎみに焼き上げられると、
このような独特の白味の強い爽やかな味わいになるのだそうです。
ボタンのような耳や筒状に土を折り重ねた鉄砲口もユニークな意匠となっており、
まだまだこのような陶陽先生の珍品が世の中には存在するのかと思うと、
これからの出会いが益々楽しみとなってきます。
最低でも数年は土を寝かせてから使用されていたそうです。
「手先の技を追わず、轆轤の上の土に素直に」との言葉を残されています。
特別なことは何一つされていませんが人を惹きつける何かがありますね。
冴え返る緋襷はこの観音土の特徴で、お酒注ぎとしてみれば抜群の景色となります。
鑑定して頂くの際、晃介先生に陶陽先生のお話を聞くのがとても勉強になります。
(金重陶陽/備前片口 オ酒ニモ)
size:口含む径12.0cm×耳含む径10.0cm×高さ5.8cm
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Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220
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