人間国宝無形文化財等、備前焼の有名作家による個性溢れる作品を一堂に展示しています。



 

 

馬場  隆志   特集          6月9日19時~30日17時

 

 

この度、馬場隆志先生の窯出されたばかりの新作を特集させて頂くこととなりました。
一年程前、陶友会の作品展にて馬場先生の作品を拝見し、
俗にいう一目惚れというもので、当時はそのまま押し掛ける形で作品を頂いて参りました。
馬場先生は突然の訪問にも快く応じて下さり、備前焼の魅力について語って下さいました。
「可愛いでしょう」と言いながら熱心に作品の説明をして下さる姿に私は感動を覚え、
備前焼を心の底から敬愛しているのが伝わって参りました。


馬場先生とお話をさせて頂き、驚かされたのが馬場先生と備前焼との出会いのお話です。
備前焼作家の家に生まれて、幼い頃から粘土遊びをしておられたというのは比較的よく耳にするお話です。
しかし、馬場先生は小学校3年生の時に箸置きの制作をお客様より依頼されたそうです。
その頃からすでに備前焼作家になると決意して勉学に励まれたそうで、
これだけの確固たる意志を持って備前焼作家になった方を私は存じませんでした。
それはきっと好きだけでは語り尽くせない、

様々な想いが馬場先生を備前焼作家の道へと突き動かしたのでしょう。


陶友会の作品展で展示品を拝見し、心中に去来した様々な疑問と感動。
馬場先生の作品から入り込んでくる、不思議な高揚感。
自由闊達な作風ながらも、使用者のことを第一に考えた工夫。
一人分の展示スペースなのにまるで違う人が作品を持ち寄ったかのような違和感。
それらは馬場先生の備前焼への一途な想いにこそ、その答えがあるのだと確信致しました。


土焼き造りの表現だけに留まらない多角的な視点を持ち、

様々なアプローチで「備前焼」を掘り下げていく。
まるで彫刻刀が素材から立体を掘り出すように、一刀一刀が備前焼に新たな表情を生み出す。
その一刀一刀を動かす原動力こそ、馬場先生の備前焼への想いではないでしょうか。
今回の作品を見てもその想いの強さこそが、

備前焼に眠っていた新たな可能性を呼び覚ましているように感じます。
馬場先生は「備前焼」という概念そのものを彫刻し再構築するアーティストであると私は思います。
是非今回の特集をご高覧頂き、その想いや愛情に触れて頂ければ幸いです。

 

「馬場隆志 特集」の梱包について

       

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