皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
本日は素晴らしい作品が入荷しましたのでお知らせさせて頂きます。
今回ご紹介するのは安倍安人先生の素晴らしい備前鉢です。
実はこの鉢は去年開催された―破格―桃山備前展に出品された、
「古備前 平鉢 半月形」を彷彿とさせる姿と焼成となっています。
破格展の感想記事でも初回の記事に取り上げさせて頂きましたが、
初めて訪れた会場にて一番心奪われたのがその古備前平鉢でした。
重厚な焼成は種類の違う胡麻が何層にも折り重なるように降り積もっており、
非常に細かい飛び胡麻や、藁と混じり濁ったような色合いなど、
焼成工程の複雑さを感じさせる非常に奥深い色合いとなっていました。
また、一度見たら忘れられない強烈な変形も見事と言う他ありませんでした。
そんな古備前平鉢を是非手にとって眺めてみたいという夢が、
まさに現実のものとなる日が来ようとはそれこそ夢にも思いませんでした。
多数の胡麻が複雑に入り混じった景色に、大きく膨れた中央部、
何よりも牡丹餅部分から垣間見える枯れ果てた色合いたるや、
現代の備前作品とは思えない見事な貫禄があります。
安人先生の本作にも裏面には円筒形のものに置かれた跡があり、
これが非常に面白い中央部の迫り出しを発生させています。
破格展をご覧になられた方はきっと驚かれる仕上がりだと思います。
備前焼まつり期間中も当店にて展示させて頂いておりますので、
是非お近くに起こしの際にはご来店下さいませ。
また本日の更新では安倍安人先生が久しぶりに制作された、
伊部手の酒呑を出品予定となっております。
こちらも極上の焼きが出た作品ですので併せてご覧下さい。
数種類の胡麻が折り重なるように積み上げられています。
枯れ果てた、というよりも擦り切れた、という方が近い古備前に迫る見事な土味です。
裏面はまるで鉄のような土肌に、日の丸のような抜けが面白いです。
変形した鉢を安定して焼き上げる、盛り付けや飾った時の見栄えを良くする等、
機能面の利点とともに、「ひょうげたもの」として数寄者の寵愛を受ける為のものかも知れません。
(安倍安人/備前平鉢 共箱制作中)
size:径31.5cm×径27.5cm×高さ3.7cm price: 売約済
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