2010-12-01 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]真邊半入居 作 備前茶銚 さて、本日の更新は幻の作家として名高い真邊半入居先生の作品です。備前茶銚と名付けられた今作は、味わい深い土味とさっぱりとした作りが一体となった作品です。穏やかながらも凛とした佇まいは、作者の技量が並々ならぬものであると雄弁に語っています。ピッタリとはまる蓋や、高台部分の独特の作り、胴の優しい膨らみなど本当に見所がたくさんあります。特に口縁から腰にかけての見事な... More
2010-11-30 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]浦上善次 作 備前香合二点 今日は備前細工物の第一人者として、様々な賞に輝いた浦上善次先生の作品をご紹介しようと思います。善次先生の作風といえば写実的ながらもどこかデフォルメされた造形が特徴で、モチーフの持つ躍動感や生命力がヒシヒシと伝わってまいります。この二作の香合もその例に漏れず、動物の持つ力強さがとても上手く表現されています。動物とは読んで字の如く、動く物と書きます。絶えず動きまわ... More
2010-11-29 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]入江光人司 作 備前宝瓶 本日はまた宝瓶のご紹介に戻ろうと思います。今日の作品は入江光人司先生の備前宝瓶になります。今までは宝瓶という作品の性質上物故作家の先生の作品でしたが、今回の入江先生はは現代備前に於ける宝瓶製作の第一人者です。何故このような言い回しをしたかと言いますと、宝瓶自体を作っている方が少なくなっておられます。電動ロクロ中心の仕事が増える中、一品の完成までにに何日もかかり... More
2010-11-28 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]金井春山 作 獅子香炉 さて本日の更新は金井春山先生の獅子香炉となっております。長らく陶芸の教師としても勤められた春山先生らしい見事な作品となっています。玉取獅子の凛々しいフォルムと、菱形の台座の美しいシルエットが合致しています。細工、透かし、造形の三点のバランスがとてもよく、本当に教科書のお手本のような作品です。美しい黄色の胡麻がたっぷりとかかっており、色彩も文句なしの出来栄えです... More
2010-11-27 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]石井不老 作 栗香合 本日の更新は昨日と同じく香炉ですが、石井不老先生の香合をご紹介します。僕はこの作品を見てまず感じたのは、なんという徹底した再現だろうかという事です。備前は割と自然が豊かなところで、近くには栗の木なんかも生えています。それが秋になれば緑色のトゲトゲの実がたわわに実ります。その緑色は本当に鮮やかで、深い緑というよりもクリーミーな黄緑色だったと思います。そして秋が深... More
2010-11-26 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]西村春湖 作 ????? 今日は昨日に引き続き西村春湖先生の作品二点のご紹介になります。さて、写真だけみたら干支の置物と大きな蓋物にでも見えると思いますがどうでしょうか。実はこの写真は二点とも小さな小さな香合なんです。実際の大きさは下記のサイズ表記にありますように、非常に小さなものとなっております。獅子の香合などはイメージとして大体500円硬貨を思い浮かべて頂ければそれに近いと思います... More
2010-11-25 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]西村春湖 作 備前泡瓶 本日の更新は昨日に続きまして知る人ぞ知る名工、西村春湖先生の作品となります。昨日の不老先生の宝瓶の少し大振りの造形とは打って変わって、こちらの春湖先生の泡瓶はスッポリと手のひらの中に入る大きさです。それでいて非常に緻密に作られ破綻したところがなく、まさに元の大きさからギュッと圧縮したようにすら感じます。少し砂っけのある荒い土を巧みに使いこなし、精緻なる作行を完... More
2010-11-24 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]石井不老 作 備前宝瓶 今日は知る人ぞ知る名工、石井不老先生の宝瓶についてご紹介します。不老先生といえば陶陽先生や春湖先生とならぶ伊部の名工で、備前焼ファンの間では宝瓶の側面に般若心経を掘り込んだものがとくに有名です。この作品は般若心経の彫り込みこそ無いものの、不老先生の特徴でもある鮮やかな土味がとても素敵なので今回ご紹介しようと思いました。このオレンジとピンクとバーガンディが複雑に... More
2010-11-23 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]藤原建 作 備前泡瓶 今日の作品は昨日の藤原啓先生の甥に当たる、藤原建先生の泡瓶となります。建先生は県の無形文化財の認定を受け、味わい深い土味と優雅な作風を両立された方です。この作品にもその特徴がよく現れており、ねっとりとした優しい土味がまさに桃山古備前を思わせます。 堅く焼き締めても尚、柔らかさが残るように。 この作品を見ているとまるでそう呟く建先生の声が聞こえてくるようです。造... More
2010-11-22 [手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展]藤原啓 作 備前泡瓶 備前焼二代目の人間国宝にして、世界的にも有名な藤原啓先生の泡瓶です。啓先生といえば温和な人柄がにじみ出たかのような、詩情溢れる優しい作行が魅力です。この作品もその例に漏れず、堂々した作りながらも持ち手を威圧しない優しさがあります。とてもよく焼けた作品で、重厚な窯変と味わい深い土味が同居しています。胴と蓋を覆う胡麻と桟切りの金銀のコントラストは、備前窯変の花形ら... More
2010-11-19 手のひらの中の小宇宙 宝瓶・香炉展のお知らせ 皆さんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。近所の山々もかなり紅葉し、文字通り山吹色がかって参りました。 さて、本日はブログ限定の小さな企画のお知らせでございます。丁度今、何の縁か当店には沢山の宝瓶と香炉が沢山集まっています。そこで一日一個、当ブログにてその宝瓶や香炉をご紹介させて頂こうかと思っております。 宝瓶や香炉とは小さいながらも非常に手間暇のかかる作品... More
2010-11-11 金重素山 作 緋襷茶碗 皆さんこんにちは。如何お過ごしでしょうか。ちょうど紅葉が綺麗なこの時期は、行楽の秋ということで備前にも沢山の方がお越し下さっています。閑谷学校の楷の木の紅葉を見られた帰りに当店に寄ってくださったお客様が、「本当に綺麗で幻想的だった。楷の木の紅葉の見頃と時期がピッタリ合って本当に良かった。」と言っておられ、なんだか我が身のように嬉しく思いました。しかし何故に紅葉... More
2010-11-07 末田恵 作 備前徳利 皆さんこんにちは。随分寒くなってきて完全にもう冬ですね。冬の始まりのこの季節といえば、もちろん紅葉の季節でもあります。丁度、閑谷学校の楷の木なども11月上旬に見頃を迎えます。美しい紅葉には朝晩での急激な冷え込みが良いとされていますが、皆様のところではどうでしょうか。備前では朝晩はぐっと寒くなり、こたつにヒーターがもう既に大活躍です。さて、寒い季節には陶もより一... More
2010-10-28 松井與之 作 銀彩花入 皆さんこんにちは。いつも当ブログをご覧下さりありがとうございます。せっかくの冬の始まりにと思いまして、まるで雪で作ったような花入をご紹介します。写真を見てお気づきの方もおられると思いますが松井先生の銀彩花入です。実物をまだご覧になったことのない方は、是非一度見てみてください。備前作品には元来根底に「温かみ」があると常々思っているのですが、この作品はまた一味違っ... More
2010-10-27 伊勢崎卓 作 備前面取徳利 備前面取酒呑 皆さんこんにちは。備前焼まつりは楽しんで頂けましたでしょうか?ご来場頂けました方、当店までお越し下さった方本当にありがとうございました!今年も来てくださった方も、来られなかった方も来年もまた備前焼まつりをよろしくお願します。さて、備前の町は祭りの喧騒もどこへやらでいつも通りののんびり静かな町です。二三日降り続いた長雨の後の秋晴れが昨日で、その晩からすっかり冷え... More
2010-10-08 いよいよ備前焼まつりが近づいて参りました! 皆さんこんにちは!いよいよ備前焼まつりが近づいて参りました。今年の備前焼まつりは10月16日(土)・17日(日)の2日間で行われます。川口陶楽苑は伊部駅前の備前信用金庫裏の公園向かい側第1会場 テント「7」番で販売します。駅を降りたら横断歩道を渡っていただいて、右手に備前信用金庫を見て通り越してください。通り越してすぐ右手が第1会場となっていますので、そちらの... More
2010-09-25 鈴木黄哉 作 煉瓦鳩 皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。朝晩共に随分冷え込んでまいりましたので、くれぐれも風邪などにはお気をつけ下さい。さて、本日は一風変わった珍品が入荷致しましたのでご紹介させて頂きます。鈴木黄哉先生の瓦鳩ならぬ、煉瓦鳩なる作品です。備前の細工物の中でも十八番である瓦に鳩が乗っているモチーフを、現代風におもしろくアレンジして煉瓦鳩とされたのでしょうか。裏面... More
2010-09-14 竹中建次 作 新作ぐい呑 皆さんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。本日は竹中建次先生の新作ぐい呑が入荷致しましたのでご紹介します。白と黒の釉薬による、非常にオシャレな彩色がなされた作品です。器自体に染み込むような滑らかな黒と、ザラッとした量感のある白が上手く交差しています。しかし、この器の真の主役は釉薬のかかっていないむき出しの素地にあると思います。前面二つのぐい呑は黒をベースにし... More
2010-08-24 荒川豊蔵 作 鶴の絵茶碗 みなさん、こんにちは。今年はお盆が過ぎてもなかなか涼しくなりませんね。毎日の猛暑が体に堪えますが、熱中症にはくれぐれもお気を付け下さい。さて、本日は優しい桜色の釉調が清々しい、鶴の絵茶碗をご紹介させて頂きます。作者は美濃の古陶再現に生涯を捧げた、昭和を代表する偉大な陶芸家 荒川豊蔵先生です。多治見の虎渓山に築いた水月窯で焼かれた作品です。水月窯では牟田洞の穴窯... More
2010-08-09 西村春湖 備前窯 天拝獅子香炉 みなさん、こんにちは。毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。暑い中も窯出し等あり、続々と作品が入荷しております。今回は川口陶楽苑へやってきた愛らしい獅子香炉をご紹介させて頂きます。大地に足を踏ん張って天を仰ぐ様は大変力強く、今にも空目掛けて飛び上がらんばかりです。細工も驚くばかりに細かく、口の中の舌までもがきちんと作られており、春湖先生の技術力と根... More