金重剛先生に会う!!中編

前回から引き続いて金重 剛先生へのインタビューです。

僕「じゃあ作ってて楽しいものってあります?最近若手の作家さんの中では、茶碗が楽しいって良く聞きますが。」

剛「ん??全部!!(笑)作ってたら何でも楽しいよ。作るのが好きなのかぁ?」

僕「そうなんですか(笑)じゃあ相当作るのが好きなんですね。作陶が生活の一部として機能してて、土と共に生きるって感じがしますね。じゃぁ逆に(作るのが)大変なものってありますか?」

剛「大変っていうか神経使うのは茶陶だね。それでも楽しいんだけど…。」

僕「なるほど。ルールがありますもんね、茶陶は。守る守らないは別ですけど。」

剛「そうだね。ある種の制約を自分の中でどう向き合い、そしてどう消化するかだね。」

僕「僕の勝手なイメージなんですけど、剛先生は結構きっちりしてますよね。」

剛「うん…。ちゃんと出来てるかは別として、使う人の事を考えて作ってる。そうするとルールの中に集約される。で、周りと一緒だとつまんないから、どうにかその中でオリジナリティーを持たせようとする。結局は(ルールを)『守る』事が『変化』に繋がる。」

僕「あーなるほど。守る事が良い意味での破るって事になっていく訳ですね。」

剛「そうそう。それに土を見てもらいたい、焼きを見てもらいたいってなったら造形は出来るだけストレートな方が良いかなって。」

僕「そうなると確かに余計な情報は無しで、一対一で土と語らえますよね。」

剛「うん。まぁまだまだこれからだけど(笑)」

僕「シンプルって奥が深いですもんね。」

剛「うん。」

という事で今回はここまでです。読んで下さった方、ありがとうございます。
ところで今回の写真は剛先生の手です。
僕は陶芸家の先生方の手を見るのが好きなんですよ。
皆さん共通するのは、手のサイズがかなり大きいんですよ。
単に大きいというよりも独特の大きさですけど。
そして年季(?)が入ってるんですよ。
年季って言うよりも川原に落ちてるツルツルの丸い石みたいな感じです。
窯焚きや土堀なんかでガサガサ→作陶でスベスベ→窯焚きや…って感じで、
手の皮膚が研磨されたようになっていくんですよ。
よく考えると陶芸家の仕事道具って手ですよね。
日々の作陶生活で磨きが掛かり、いつも手入れされているのかなって思います。
さて次回の後編で剛先生のインタビューは最後になると思います。
また良かったら覗いて下さい。それでは。

[ 金重剛先生に会う!!中編 ]陶芸家に会う2006/09/20 00:05