THE ライティング

THE ライティング…、と言いましても今回は要するに照明のお話です。
常々インターネット販売において、重要視されるのがこの照明でございます。
これ一つで作品の印象、というか色が全く変化します。
勿論撮影の場所や花を添えるなんていう方法でも変わりますが、
色や見た目の変化では照明の足元にも及びません。
そして勿論売る側は良く見せたい訳でございます。
しかし、実物と色が違うと全くの無意味でございます。
うちの店では日夜スタッフが「どうすりゃあええんなら…」と研究している次第でございます。
お客様のモニター設定で色が変わってきますが、出来る限り近づけたいのが店側の本音です。
実際、当店も最近バック紙なるものや照明スタンドを導入しました。
効果の程はまだ分かりませんが、これからも研究を重ねたいと思ってます。

で、実はここからが本題でございます。
先程はネット上のモニター内という事で書きましたが、
何もこれはネット上だけのお話ではございません。
実際の肉眼でも証明が及ぼす影響は計り知れないんですよ。
「そんな事分かってるよ!」って方は、済みませんがお付き合い下さい。
当店の照明は何の変哲も無い白色の蛍光灯(どこの家庭にもあるようなもの)でございます。
それに加えてウィンドーのところのみ、スポットライト(オレンジ色の暗いライト)を使用しています。
そして閉店時間、僕がこの記事を書く原因となったある事象が起こります。
まず蛍光灯を控え室のパネルで全て消します。
展示室は窓からの日光と、スポットライトの光のみとなります。
そして表へ出て、シャッターを下ろし鍵を掛けます。
すると展示場は真っ暗となり、ウィンドーのスポットライトのみとなります。
この状態こそが今回の記事を書きたくなった状態です。
なんとデパートの個展のように作品が美しく浮かび上がっているんです!!
幻想的とでもいうようにぼんやりと、しかし光をその身に集めながら。
その展示場を遊び場に育った僕も、驚きしばし見惚れてしまう程美しいです。
照明の変化で肉眼で見た作品の印象も、ガラリと変化してしまうんですよ。
「じゃあなんでずっとボロい照明を使ってるの?」とお思いの皆さん。
実はこの状態では作品の色や、細かな部分での判別が非常にしにくいんです。
お客様のお家について作品を見てみたら、「色が違う」「ここにこんなのあったっけ?」
なんて事になったらこれはもう大変です。
勿論、傷物は販売しませんがカセ胡麻の剥がれ、縮緬皺等は作品として取り扱ってます。
そしてそれらは景色として存在するものですが、当然好き嫌いがございますよね?
それが判別出来ないままお渡しするのは無理なんで、作品の隅々まで見渡せる
出来るだけ明るい展示場のまんまなんです。
でもまあお金が無いってのが一番ですが(笑)
しかし本当に暗闇の中で輝く焼物って本当に綺麗なんですよ。
人は闇を恐れて闇を削って生きてきましたが、そんな人の作り出した焼物が
闇の中で光を集めて輝くってなんかロマンチックですよねぇ。
もしご自宅にそんなお部屋があれば、是非一度お試し下さい。
きっと新たな表情が発見出来ると思います。
長くなりましたがここまで読んで下さった皆さん、どうもありがとうございます。
それではまた。

[ THE ライティング ]雑記2006/09/12 18:35