皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。
先日、伊勢崎晃一朗先生の窯出しがありました。
今回の窯出しでも見る者をワクワクさせてくれる作品ばかりで、
つい時間が経つのも忘れて作品選びに夢中になってしまいました。
実は晃一朗先生は学生時代には木彫をされていたそうで、
その技術が作陶にも大変活かされており、土の新たな表情を引き出されていると感じます。
大きなノミで土を大胆に削った花器や、ご友人の木工作家とコラボした茶器など、
様々な技法や表現で備前土の魅力を再認識させてくれるものばかりです。
そう考えると隣接する淳先生の工房と晃一朗先生の工房の関係もなんだかとても面白く感じます。
淳先生の工房で沢山の人々によって長年研究されてきたものが分解され、
隣の工房で一人の若き陶工のフィルターを通して集約・再構築されているようにも思えてきます。
その中には工房前の古備前、海外で活躍されているアーティストの作品から部屋に飾られた古代アフリカの通貨など、
本当に多種多様なエッセンスが混じり合いながら「伊勢崎晃一朗の備前焼」へと収束しているのでしょう。
現在、十数年使用してきた黒の塗り土があと僅かになり新たな配合を研究中とのことですので、
今度はどんな再構築が見られるのかと今から楽しみでなりません。
深く艶のある黒、だけど一色ではなくどこかに緋色が混じったような。
そんな黒を研究中との事です。
備前焼 川口陶楽苑にて出品中の伊勢崎晃一朗先生の新作