さて、本日の更新は幻の作家として名高い真邊半入居先生の作品です。
備前茶銚と名付けられた今作は、味わい深い土味とさっぱりとした作りが一体となった作品です。
穏やかながらも凛とした佇まいは、作者の技量が並々ならぬものであると雄弁に語っています。
ピッタリとはまる蓋や、高台部分の独特の作り、胴の優しい膨らみなど本当に見所がたくさんあります。
特に口縁から腰にかけての見事なクビレは艶がありながらも、作為がなくとても素敵です。
では、真邊先生とはどの様な方であったのか、以下に簡単な略歴を書いておきます。
香川県高松市出身で東京鈴木製作所で金属の彫刻を学び、真辺静良の名前で岡山市にて銀器を制作。
昭和十年頃より備前焼制作も始め、金重陶陽窯で焼成。
十六年頃に岡山市東山に築窯し、約五年間ほど作陶を続ける。
昭和二十年赤磐郡高月村和田に疎開し築窯する。
以来「半入居」の雅号を用い作陶、昭和三十八年歿。
このような経歴の方で、陶陽先生と同時代に活躍された方です。
本当に作品自体が少なく、僕も前の作品を見たのは数年前です。
しかしその一品一品が本当に瑞々しい感性に彩られており、年季を感じさせない魅力があります。
size:径9.4cm×径8.9cm×高さ7.8cm
price:60,000円(共箱)
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