いつも川口陶楽苑をお引立て頂き、誠に有難うございます。
この度、川口陶楽苑Online個展と致しまして、
「金重晃介 新作展」を開催させて頂くこととなりました。
肌に刺さる寒さが空気を澄み渡らせる12月の初め頃、
窯出し直後に伺って頂いてきた作品でございます。
土味を大切に、土に素直に火に素直に
との金重一門の伝統を背負いながらも
一人の人間としての衝動が、作品に見え隠れする。
その衝動こそが晃介先生の魂の形であり、
決して伝統のみで語る事のできないものではないでしょうか。
「伝統的な」
「これが伝統の」
伝統とは一体なんでしょうか。
使い古され、言葉の外観だけが一人歩きする言葉でございますが、
金重晃介先生はその中身を知っているように思います。
何が伝統であって、何が伝統ではないのか。
大切なのは置き去りにされた、伝統という言葉の中身ではないでしょうか。
凡庸な己を着飾る言葉が伝統なのか?
ただ角ばった形のみが革新的なのか?
その答えは作品の中の衝動に、見えてくるものだと信じています。