いつも川口陶楽苑をお引立て頂き、誠に有難うございます。
この度、川口陶楽苑Online個展と致しまして、
「高力芳照 新作展」を開催させて頂くこととなりました。
じりじりと照りつける太陽が眩しい夏。備前閑谷。
静かな山間の工房にて、芳照先生の新たな作品が産声をあげました。
夏の太陽をその身に宿したかのような真っ赤な窯変。
山を彩る木々の深緑そのもののカセ胡麻。
切り取られた大地のように力強い黄土色の土味。
芳照先生の作品は自然の風景を切り取った絵葉書のように、
私たちに雄大な自然の景色を見せてくれます。
そしてその景色の隅に常に人の手による優しさが垣間見れます。
変わらないものと移ろい往くものの一瞬の邂逅。
それが芳照先生の作品にはあります。
生き急ぐだけの陶ではなく、
生きた足跡を残してゆける陶として。
のんびりいきましょう。
まるでそんな風に語りかけてくるかのような作品ばかりです。
つまりこの作品達はまだ未完成なのです。
箱が完成して、棚に陳列してもまだ未完成です。
お代金を頂いて、お客様のお手元に渡ってもまだ未完成です。
一杯のお酒を注いで、一服のお茶を点てて、
ゆっくり
のんびり
楽しんで頂けましたら完成です。