安倍安人先生の作品の盗難につきまして

残暑御見舞い申し上げます。
さて皆様御存知とは思いますが、先日の安倍安人先生の盗難に遭いました作品のリストを掲載させて頂きます。
どんな些細な情報でも結構でございますのでお気づきの点がございましたら当方までお知らせ下さい。
何卒よろしくお願い致します。

『この度8月15日窯場より、焼成途上の伊部団子三ツ足獅子耳花入1点、伊部獅子耳花入2点、彩色瓢徳利の未彩色自然釉途上(全作品丸の中に富士山の絵)7?8点、他徳利、水指など数点、計二十数点の盗難が判明しました。警察当局へ通報調査中でございます。
いずれも未完成作にて、善意の購入者につきましても一切箱書き等できません。皆様には大変ご迷惑をお掛けしますが今後ともご協力お願い申し上げます。』

このたびの盗難にあった制作途上の作品は、彩色瓢徳利の自然釉を十分にかける為、半年以上焼き続けて来た。回数にして8回以上は焼いたと思われる。

瓢の図柄は一方面は丸に富士山の絵が全8点に描いてあり、丸に富士はこの盗難されたものが後にも先にも最初の試みである。

裏面には桐紋で、すでに自然釉はかなり着いている。彩色用の彫り紋になっているので、自然釉状態では不自然で面白くない。多少色ガラスが入っているが、これは自然釉とも融合のためで色は本窯で焼き飛ばす予定であった。未完成の不自然なものである。

伊部団子三ツ足獅子耳花入は、1年以上数十回焼き続けて来たもので、花入の高台が棚板にくっつき、裏面がはがれ大キズになっている。花入は立ちづらく、団子 足を三ツ付けて平均を保つ様になっている。伊部獅子耳花入は、先記と同じような回数と年月で焼き込んである。三点とも同じ瓢型の口開き様式で、高さ23cmぐらいで、私の作る花入としては背が低い。

他、あまり記憶の確信が無いのであるが、伊部用徳利5、6回焼き込んだものと水指、酒器等数点含まれていたのではと考えられる。この20数点は、私のここ1年半ばかりの仕事全てと言って過言ではない。

この点数は、この何倍かの生地制作から始まってここまで集約したものなのである。

昨年超小窯に窯を改良してその窯に1年半情熱をかけた作品全てであった。

安倍安人

[ 安倍安人先生の作品の盗難につきまして ]雑記2012/08/18 06:04