いやー、皆さんお久し振りです!!
約一ヶ月もお休みしてしまいました。(反省)
元来のマイペース野郎なんですが、人手不足で色々と飛び回っておりました。
しかし、新たな人材を獲得しどうにか通常規模のマイペースに戻ります。
では早速インタビューの続きを。
僕「じゃあ今まではこれまでのお話でしたけど、今後の展開としてはどうですか?」
一「うーん、究極の機能美を追求したいですね。古備前のような。」
僕「おー。究極の機能美ですか。」
一「うーん、形とかよりも機能美ですね。」
僕「なるほど。でももしかすると、凄く使い易いっていうのが凄く美しいって事なのかも知れないですね。ではその究極の機能美である古備前は、先生の中でどのように捉えられているんですか?」
一「それはやっぱり習うって事が一番でしょうね。とにかく何を見ても頭を捻るような感じですけどね(笑)」
僕「そうなんですか(笑)じゃあ今回の窯でいつもと違うところってありますか?」
一「うーん、いつも違うことをしてますからねー(笑)まぁ今回は割りといつもの限界より踏み込みましたね。」
僕「あー、あるほど。作品を見てて分かります。じゃあいつも必ずする事ってありますか?」
一「あー、毎回古備前みたいなのが出たら良いなって考えますね。出た事無いんですけど(笑)」
僕「そうなんですか(笑)」
一「要するにこれはっ!って思えるような物が出るよう頑張る事ですかね。」
僕「自分に驚きを与えてくれる物ですか?」
一「まぁそうですね。ただそんなものは出ませんよ。」
僕「出てくるのを楽しみにしていますよ。さっき作陶は嫌いって言われてましたけど、窯焚きはどうなんでしょうか?」
一「うーん、あんまり好きじゃないかなぁ。」
僕「そうなんですか!!!」
一「うん、嫌いに近いですね。なんか焚いてるっていうより、作ってるに近い感じ方ですね。『あー、あそこに詰めたやつは今こんぐらいどろうな』って感じですね。」
僕「なるほど。そう言われると分かる気がします。じゃあ最後に自分の肩書きを決めるとしたら何ですか?」
一「うーん、やっぱり『やきものや』かなぁ。焼いてあるからやきものなんだし。」
以上で一洋先生のインタビュー終了です。
作陶や窯焚きが嫌いって聞いた時にはビックリしました。
でも良く考えると、何だか一洋先生らしいなって思えます。
人間って中々自分に都合の良い主観を捨て切れないものです。
それを一洋先生は、真剣に打ち込むことによって捨てきっている。
むしろ客観をも通り越して、俯瞰ぐらいで捉えているんだろうなって思います。
そこが作品に出ていて、生々しさなんかが感じられないんですよね。
でも100%無機質じゃあないんですよ。
何か言葉にするのは難しいんですが、ちゃんと作品は生きてるんですよね。
愛が無いと作品に命が宿りませんが、俯瞰なのに生きてるって矛盾しますよね。
多分愛情が無いんじゃなく、愛のムチ故の厳しさを感じるんです。
作陶、窯焚き全てにおいて己に厳しい。
なんだか嫌いって言葉が違う意味に聞こえてきますね。
読んで頂いた方、個展を見て頂いた方、本当に有難うございました。
今回の写真はちょっと驚いたものを集めてみました。
まず一枚目と二枚目は窯の壁です。
二枚目は鉱物っぽいぞと思われた方、僕と思考回路が近いです(笑)
窯に厚く降り積もった(?)自然釉が結晶化したものらしいです。
アメジストみたいなんで、持って帰れば良かったかな?
三、四、五枚目はおなじみの窯道具達です。
三枚目は色身なんですが、ほんっと良い胡麻が乗ってます(笑)
クリアーな金色で貫入が美しいですよ。
四枚目はサヤです。
備前の作家さんは大体備前土より耐火度が高い信楽土を使っていますが、
どうですか!!この緋色!!
本場のものにも引けを取らない、土味の味わい深さに感動しましたよ。
五枚目はレンガです。
必ず作家さんが使うものですが、やっぱり作家それぞれの特徴が良く出てます。
この一洋先生のは、細かーい胡麻の粒が沢山付着してました。
これが皿などのあのキメ細かな胡麻肌になるのでしょうね。
そして六枚目、トリを飾るのが90mの大窯ですよ!!!
遂にきました、90mですよ!!!
なんと中に通常規模の穴窯が何個か作れるくらい大きいんです。
長さも幅も世界最大級、まさにモンスターマシンです。
この窯が焚き上がるのが待ち遠しいばかりです。
そのときはこのブログで紹介したい…。
そのために頑張ります!それでは、また。