森本良信などの人気作家の新作を一堂に展示しています。



 

 

新作入荷情報や巨匠の名品のご紹介など随時お知らせしていきます。

 

 

 

森本良信  井戸茶碗  共箱(二重箱)

 

この度、森本良信先生の井戸茶碗が入荷致しました。
貴重なお時間を頂き当店の質問にお答え頂きましたので、
今回はインタビュー形式での作品のご紹介とさせて頂きます。

川口陶楽苑(以下.K):まず今回、森本先生が井戸を焼くきっかけとは一体何だったのでしょうか。

森本良信先生(以下.M):きっかけは井戸茶碗を実際触る機会に恵まれたからです。
            小井戸でしたが高台の高さが低いだけで、その他の部分の造形や釉調は、
            大名物の大井戸と変わらない素晴らしさがありました。
            その感動は今でも残っています。

K:なるほど。では実際のテスト焼きはどの位掛かりましたか?

M:3年くらいテストピースをしていました。妻の実家が鳥取県でそこには民芸窯が少しあるんです。
 萩のような焼き物が多かったので「これは朝鮮系の焼き物に使える土がありそうだな」と思いました。
 そして義父と土探しや陶石探しをコツコツ続けていました。
 3年である程度ですが焼ければ早いと思いますよ。
 実はそれよりも大変だったのは轆轤仕事、つまり造形です。

K:そうですか。確かにシンプルな造形なので却って難しいでしょうね。
 一歩間違えれば飯茶碗になってしまいそうですし。

M:はい。500年も大名物として残っている作品には、そう簡単には追いつけません。
 自分にとっては一生かけて追求するテーマだと思っています。

K:少し話が変わりますが、最近の備前焼作家が釉薬物を焼く傾向があります。
 それについてはどうお考えでしょうか?

M:それは目的によりけりだと思いますね。作域を広げる為に釉薬物を焼く場合があります。
 また、作家自身のマンネリ防止の為に焼く場合もありますし。
 僕の場合は焼き物を好きになってしまった人間にとって、
 備前焼以外に挑戦するというのは自然な事だと思っています。
 これからも自分が影響を受けた焼き物に一つずつ取り組んでいく予定です。

K:なるほど。では、森本先生はもう「備前焼作家」というカテゴリーではなく、
 「陶芸家」というカテゴリーで活動されるということでしょうか。

M:ええ。その「備前焼作家」というカテゴリーにはもともとあまり興味がなかったのでそうなるんでしょうね。
 因みに「備前焼作家」という概念自体が大正から昭和初期に生まれたものなので、
 実は歴史的には結構浅いんですよ。そんな古い伝統として拘らなくていいんです。

K:なるほど面白いですね。古い伝統として感じていました。

M:鎌倉時代から備前焼を作っていたのは職人なんです。
 それが桃山や江戸の茶陶となると外の人間だった可能性が高い。
 だから僕はどんどん窯ぐれ往来していきますよ(笑)

K:森本先生らしくエネルギッシュですね(笑)
 追いかけていく我々としてはどんどん様々な名品を追求していただきたいと思います。
 前に仰っておられた見る事で自身にインプットし、作る事でアウトプットとして作品が残ってゆく。
 僕は森本先生らしい「挑戦者」のスタイルとマッチしていると思います。
 僕が言うのも変ですが備前に限らず様々な焼き物と向き合ってアウトプットして欲しいです。
 本当にこれかがますます楽しみになって来ました。
 今日は長い時間どうもありがとうございました。

 

径16.2cm×16.1cm×高さ8.7cm  

※画像のような二重箱に入ります。(現在制作中)               120,000円   SOLD OUT                    

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