金重陶陽の作品など人間国宝の名品を一堂に展示しています。



 

 

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【参考出品】  金重陶陽  茶碗 於魯山窯  共箱

 


近代陶芸に於いて非常に重要なファクターの一つでもある北大路魯山人という巨匠の出現。
備前焼の永い歴史においても特異点として存在し、強烈な化学反応が起こったよ うに思います。
金重陶陽という巨大な惑星と、北大路魯山人という彗星が衝突しビッグバンとなり、

その衝撃は備前のみならず近代陶芸の水準を押し上げたのだと感じます。

強烈な個性のぶつかり合いによって互いの感性を刺激し合った二人の巨匠ですが、
その個性故にいつしか親交は途絶えてしまいます。
そうした中で金重陶陽先生が隠されてしまった作品も少なくないと思います。

この作品は共箱に「於魯山窯」と明記された数少ない織部の作品であると同時に、
二人の邂逅というビッグバンの証左ともなりうる歴史的価値のある作品でもある と思います。
「茶碗」とだけ書き添えられたシンプルなタイトルの通りに、
穏やかな立ち上がりを見せる碗形と、織部風のシックな絵付けがマッチしています。

茶碗制作に於いて金重陶陽先生のこだわりの一つでもあった見込みの中の空間演出は本作でも健在で、

まるで古家の天井を見上げるかのような、黒で仕切られた空間が一気に解放するかのような絵付けが施されています。
備前茶碗のゆったりとした広がるような見込みともまた少し違い、
まさしくビッグバンの言葉を連想させる躍動感すら覚えます。

 

 

   

 

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