あとがき
芽
作品を若葉としてご挨拶を書かせて頂きましたが、作品だけが若葉ではありません。この作品を手がけた作家四人もまた、若葉であると私は思います。
若葉とは水や肥料を与えすぎても枯れてしまうものです。
ただ、甘やかされれば作品も、根が腐って萎れてしまうでしょう。
見ている者達の価値観という植木鉢が狭ければ、根を張り巡らせることなく成長が終わってしまうでしょう。
大志という照りつける太陽、温もりを齎すお日様がなければ大きくなれません。
挫折や失敗という風雨に晒されなければ、枯れてしまうでしょう。
見守る者にもまた大いなる責任が伴うものであると私は考えています。
何気ない一言が折れかけた茎を再生させることもありますし、
新たに伸びようとしていた枝を摘んでしまう事もあります。
育てて、育てられて、与えて、与えられて
過不足無くお互いを生かし合う。
ごく普通の「自然」の中に生きる者の在り方です。
何かを残して生きていく。というこの方法を忘れてしまった時、
我々に何かが残るのでしょうか。
過去の名品や技術、そして誇り高き心とは現代に生きる者に残された実、種だと思います。
これを消費して我々は何をするべきなのでしょうか。
私はこの種を受取り、未来へと何かを残していくお手伝いをしたいと思います。
All word by katsuya kawaguchi,all photo by rie mori
Special thanks to Shinjirou Aika.Kouichirou Isezaki.Jyunpei Kaneshige.Yoshiteru Takarikiand You!!!