金重素山 作 「伊部火襷瓢形徳利」(商品No. 6666) |
450,000 円(税込)
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天才陶工と呼ばれた実兄の金重陶陽先生の助手としてキャリアをスタートさせ、
備前の名工として人々に愛される作品を手掛けた金重素山先生の備前緋襷瓢形徳利です。
齢五十歳の半ば頃より円山窯にて本格的に備前焼を手掛け始めた素山先生ですが、
本作は晩年に伊部に帰郷した後に住んだ牛神下にて制作された作品で、
素山先生の代名詞の一つである電気窯における緋襷焼成の徳利となっています。
電気焼成と同時に薪焼成も可能な特注の電気窯によってじっくりと焼き締められており、
濃厚な色合いとしっとりとした土肌が特注電気窯の最大の特徴となっています。
素山緋襷の真骨頂でもある柔らかなもぐさ色の土味も素晴らしく、
その美しさや味わい深さはまさしく香り立つような風雅があり、
眼で見て肌で触れ酒に濡らす事で素山先生の愛した備前とは何かが分かるような気がします。
造形面での特徴としては作為を強く押し出す事が多かった円山時代よりも、
作為を抑え土の膨らむままに任せたかのような穏やかで力強い曲線があげられます。
実際には徳利においては腰回りの肉付きの量までもしっかりと計算されていたと言われており、
やや重心をずらした造形や底部の非常に丁寧な仕上げなど、実際に完璧な仕事ぶりとなっています。
しかし見る者を優しく迎え入れ、極々自然体で身構えさせるような事は無く、
兄の面影を追わず古備前に執着せず独自の境地に至りまさに見事としか言いようがありません。
共箱(四方桟・二重箱)
口縁2.8cm×胴径9.6cm×胴径9.5cm×高さ14.9cm 容量約320cc
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公開日時:2022-07-23