金重有邦先生の新作酒器展のお知らせ

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

強い寒波の影響でまだまだ寒い日が続いておりますね。

体調管理にはくれぐれもお気を付け下さい。


さて、本日は金重有邦先生の新作酒器展のお知らせとなります。

2月12日夜20時より窯出しされたばかりの選りすぐりの酒器をご紹介させて頂きます。

十数年前、金重一門では非常に珍しい「山土」を主体とした制作に移行した有邦先生ですが、

今回は金重一門の代名詞とでも言うべき灰被り窯変作品を手掛けられました。

その年月から見るに、沢山の逡巡や葛藤があったのではないでしょうか。

否が応でも金重陶陽先生や金重素山先生の遺したものと向き合わねばならない中で、

自分自身にしか出来ない自分自身が納得のできる作品づくり、

金重有邦にしか生み出せないものへと辿り着くために大変な努力をされていました。

今回はそんな「金重有邦の窯変酒器」を中心に販売させて頂きます。

ご予約も承っておりますのでこちらからお問い合わせ下さい。

是非ご覧下さいますようお願い致します。

 

blog20180207yuhosyuki.JPG

皆様明けましておめでとうございます。

旧年中は格別のご愛顧を賜り、誠に有難うございました。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


川口陶楽苑は本日5日より本年度の営業を開始致しました。

年末には金重多門先生の窯出しに伺って参りましたが、

何とかギリギリ30日に作品を拝見することが出来ましたので、

1月中旬頃までには「金重多門 新作酒器特集」として、

当店HP上にて何点かお見せすることができそうです。

公開まで是非お楽しみにお待ち下さいませ。


さて、本日は更に去年入荷しておりました、

金重素山先生の極上の徳利二本をご紹介したいと思います。

両者ともに見事な窯変が出ており甲乙付け難く、

店頭で御覧頂いておりましたお客様の間でもかなり好みが別れました。

皆様はどちらがお好みでございますでしょうか。

 

blog20180105sozan1.jpg

向かって左側は窯変と土味を両方楽しめるものに、向かって右側は灰被り窯変に特化した仕上がりとなっております。

 

左側 窯変徳利

blog20180105sozan2.JPG
blog20180105sozan3.JPG
blog20180105sozan4.JPG
blog20180105sozan5.JPG

こちらの作品は僅かに山土が入ってるのか非常に濃厚な土味が見どころとなっています。

窯変も勿論素晴らしいのですが、正面脇のネットリとした紫蘇色が大変見事です。

 

右側 窯変徳利

blog20180105sozan6.JPG
blog20180105sozan7.JPG
blog20180105sozan8.JPG
blog20180105sozan9.JPG

こちらの作品は窯変・焼きに特化した徳利となっています。

灰被り窯変全体が濡れるとまるで墨のような極上の黒色へと変化します。

 

素山先生の極上の窯変徳利二本は如何でしたでしょうか。

一口に窯変と言っても全く違う表情となっており、

素山先生の窯焚きの上手さがひしひしと感じられますね。


共通しているのが徹底して見えない部分まで配慮しているという点です。

通常置いてある状態ではあまり見ない底部までしっかりと考えて焼いており、

正面と見比べても何ら遜色の無い面白い景色で焼き上がっています。

容量を調べるために水を入れても見かけよりもたっぷりと入り、

それでいて持った時に軽すぎない轆轤挽きは見事という他ありません。

「割れた時に下手くそだと恥ずかしかろうが」と言われていたそうですが、

見えないところまで徹底して美しさを追求する素山イズムに感服しました。


多門先生に祖父である素山先生のお話をお聞きした所、

通常ありえない焼き上がり方をした作品が何点か自宅にあり、

素山先生は窯の中の作品を平均して上手く焼くのではなく、

その窯をダメにしてでも最高の逸品を狙うような焚き方をされていたそうです。

実際に窯焚きの途中に窯内を少し見て「こりゃダメじゃな」と言って、

さっさと火を止めて窯焚きを辞められてしまったことがあるそうです。

更に凄いのがもうその日のうちに轆轤に向かって作品作りを始められたそうで、

これもまた素山先生の作陶理念が垣間見えるエピソードですね。

古備前海揚がり八寸鉢が入荷しました

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

本年も格別のお引き立てを頂き誠に有難うございました。

また来年も素晴らしい作品をご紹介出来るよう努力致しますので、

川口陶楽苑を何卒宜しくお願い致します。


さて、今日は今年最後のブログ更新となります。

最後を締め括るに相応しい古備前の逸品をご紹介させて頂きます。

古備前ファンの間では有名な俗に言う「海揚がり」作品ですが、

その中でも珍しい八寸の平鉢となっております。

 

kobizensara.20171218blog1.jpg
kobizensara.20171218blog3.jpg

器の中心は火照ったような緋色が出ており、非常に見応えがあります。

外周部にいくにつれ、還元焼成の色合いが濃くなり、

青味がかったグレーの土味が強く出るようになっています。

これは焼成時に焼き締まった際の炎の特徴を残しているそうで、

窯の焚き始めから徐々に外周部が先に焼き締まり、

その際、密閉に近い状態の為に還元焼成の色合いが残っています。

その後に大きく空気を取り込んで焼く段階で中央部分が焼き締まり、

その際の炎の状態である酸化焼成の色合いの影響を強く受けているそうです。

土がレコーダーのように炎の状態を記憶しているのは大変興味深いですね。

 

kobizensara.20171218blog2.jpg
kobizensara.20171218blog4.jpg

こちらの面を上にして別作品に伏せて焼かれた為、たっぷりと胡麻を受けています。

この胡麻の色はまさに古備前にしか無い唯一無二のもので、

ほんのりと白味の強い胡麻は遠くからでも一目で古備前と分かります。

グレーになった部分は所謂胡麻剥げと呼ばれるもので、

器肌に張り付かず浮いた状態になった胡麻を出荷前に削り落としているそうです。

古備前には焼成後に耳や胴等をどんどん手を加えてカスタムされたものがあり、

現代の作品に対する意識とはまるで違っているのが非常に面白いですね。

茶褐色のネットリとした土味も味わい深く、表面とは違う景色で両面楽しめます。

 

kobizensara.20171218blog5.jpg

制作方法は筒輪積みで土を立ち上げた後、玉縁を作ってから横に引き伸ばしてあります。

以前見た同型の古備前八寸鉢も全く同じ作りとなっていました。

高台のない底部の造りも同じで、恐らく皿の中の定形の一部だったと推測されます。

写真斜め上と反対側に窯切れも入っておりますが、古備前では非常に良くあることで、

窯切れ自体は当時あまり気にしていなかったのだろうと思います。

作品の造形、窯詰めや焼成方法、そして使用するにあたっての心構えなど、

全てにおいて現代とは全く違う常識が古備前の時代には存在しており興味深いです。

 

kobizensara.20171218blog6.jpg

箱に鑑定があり、平成9年に古備前鑑定に出しております。

本作は海揚がり故に海中でずっと作品が保管されていたようなものであり、

その為作品全体に汚れが殆ど感じられず使用感は現代陶工の作品に近くなっています。

肌の状態が良く、古備前であっても実際にお料理を盛って使って頂けるようになっています。

勿論、眺めて飾るだけも表と裏で別の景色が楽しめる非常に贅沢な作品です。

 

(古備前桃山時代/海揚がり八寸鉢 鑑定箱) 

size:径24.0cm×径23.7cm×高さ4.2cm price:¥550,000

 

作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ

中村六郎先生の極上の酒器が入荷しました

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

今週中頃には西日本地方でも初雪を観測し、

いよいよ本格的な冬到来となってまいりました。

皆様もくれぐれも体調管理などお気を付け下さいませ。


しかし、備前焼で言えば冬はシーズン真っ盛りでございます。

作風で言えば全体的に温かみのある色合いは見ているだけで心が落ち着きます。

また、使用感の面でもじっくりと焼き締められた備前焼は高い保温性で熱が逃げにくく、

備前の湯呑みで頂く温かいお茶は冬の楽しみの一つでございます。


そして何より作家さんからしても薪がしっかりと乾燥しており、

更に気温の低さは灼熱の作業となる窯焚きがしやすいので効率的だそうです。

当店でもまずは金重多門先生を皮切りに沢山の方の窯出しが近づいております。

HPとブログ上でも随時新作をご紹介できるよう企画しておりますので是非お楽しみに。


さて、本日は素晴らしい中村六郎先生の酒器をご紹介致します。

六郎先生が亡くなられる少し前、最晩年期に制作された逸品で、

土がうねるような力強い轆轤目が遺された造形となっており、

力強さの中に六郎先生らしい色気を忍ばせた力作でございます。


両方共一度水につけてみました所、窯変の方は緋色が一段と濃くなり、

まるで土の中に隠れていた色素が一気に表に出てくるかのようでした。

緋襷の方は濡れることで濃厚な緋色の艶がより増し、

柔らかでしっとりとした肌合いも手伝っていつまでも撫でていたくなります。


箱の状態や筋のように立った轆轤目、大きさなどの作風の特徴を見ても、

亡くなられる少し前の作品に間違いございませんが、

漲るようなパワーを感じる作風は本当に大正生まれなのかと疑ってしまいます。

寒い日にはこの二つで美味しい熱燗を頂きたくなりますね。

 

rokuroguiblog201712081.JPG

六郎先生の酒呑は晩年にかけてサイズが大きくなりますが、本作はどちらも8cm前後とかなり大きいです。

 

備前酒呑(窯変)
rokuroguiblog201712082.JPG
rokuroguiblog201712083.JPG
rokuroguiblog201712084.JPG
rokuroguiblog201712085.JPG

窯変の要である黒銀の灰被りと緋色のバランスが秀逸で、双方の魅力がしっかりと両立されています。

 

緋襷酒呑

rokuroguiblog201712086.JPG
rokuroguiblog201712087.JPG
rokuroguiblog201712088.JPG
rokuroguiblog201712089.JPG

こちらの緋襷も実に味わいがよく、土の良さが伝わってきます。

 

(中村六郎/備前酒呑・緋襷酒呑セット 共箱)  price:  売約済

窯変 size:径7.8cm×径7.8cm×高さ5.4cm

緋襷 size:径8.0cm×径8.0cm×高さ5.5cm


作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ

金重陶陽―没後50年展―が開催されます

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

本日9月16日(土)より、金重陶陽先生の没後50年展が開催されております。

昭和42年(1967年)にこの世を去られてから50年経ちますが、

未だに多くの人々を魅了する陶陽先生の名品が多数展示されます。

 

toyo-50years.jpg

toyo-50years2.jpg

 

これだけ長きに亘って人々を魅了し続ける作品を生み出す原動力、

魅力的な陶陽作品の源となったものは何だったのでしょうか。

陶芸の道において非常にストイックで他者に厳しく、

そして誰よりも自分に厳しかったと言われる陶陽先生ですが、

その厳しさの根底にあるのは、やはり良い作品を残そうという強い想いだったと感じます。

桃山期の名も知らぬ名人たちが残した圧倒的エネルギーを放つ逸品と対峙し、

己が作品もまた後の世に残るならば、何を為すべきなのかと考えられたのではないでしょうか。


時代時代で散発的に偶然発生したものではなく、

人々の生活や心に寄り添いながら成熟してきた備前焼ですが、

陶陽先生の残した名品と、幕末明治期の備前焼、さらに江戸桃山室町の古備前、

それぞれが独立して点在する事象ではなく大きな一つの道のりとして見た時に、

自分自身その道において時に俯瞰しつつ時に全力疾走しつつ、

そして時には横道に逸れながら自分もまた新たな道を紡ぎたいと強く思いました。

 

金重陶陽 作 備前枡 酒呑ニモ

toyomasu20170915blog1.jpg
toyomasu20170915blog2.jpg
toyomasu20170915blog3.jpg
toyomasu20170915blog4.jpg
toyomasu20170915blog6.jpg
toyomasu20170915blog5.jpg

 

一般には茶道具用の蓋置として制作されたと言われている枡ですが、

今回は晃介先生に「酒呑ニモ」と箱書きして頂きました。

丁度持ちやすい大きさで、角から口を窄めてお酒が呑めます。


細工物から轆轤物への転換期である土点時代の作品で、

当時細工物に使用されていた水簸土を使用しており、

カッチリとした堅く焼き締まった土味が特徴的です。


備前手の場合は全体的に均一に茶色の土肌となりますが、

本作は比較的珍しい、やや半身が自然な黒色に焼き上がったものとなっています。

京枡をモチーフにした字印も、丁度胡麻で隠れること無く、

メリハリの有る景色と細かな細工の両方が楽しめるようになっています。

 

(金重陶陽/備前枡 酒呑ニモ 晃介識箱) 

size:径5.8cm×径5.8cm×高さ4.3cm price: 売約済


作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ

金重素山先生の信楽酒呑が入荷しました

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

こちら岡山県備前地方ではやっと台風が通過しつつあります。

依然として強い勢力を保っておりますので周辺地域の方はくれぐれもお気を付け下さい。


さて、本日は備前焼が誇る茶陶の巨匠金重素山先生の、

珍しい信楽焼の酒呑が入荷しましたのでご紹介させて頂きたいと思います。

ご長男の金重 まこと先生曰く、本作は素山先生が生前に交友のあった、

信楽焼の重鎮である五代上田直方先生の紹介で得た土を焼成されたものだそうです。

素山先生が60歳頃に円山の登窯にて焼成されたもので、

窯内で備前土には適さない非常に高温になる場所に設置されたそうです。

 

fb.sozansigarakigui201708071.JPG
fb.sozansigarakigui201708072.JPG
fb.sozansigarakigui201708073.JPG

耐火度の高い信楽土だからこそ可能なこってりとした焦げが魅力です。

 

平均的な備前焼に使用されている田土の焼成温度が1200度前後ですので、

それよりももっと高い温度帯の場所で焼かれたのでしょうとのことです。

信楽焼らしい高温焼成より発生する濃厚な窯変が魅力となっており、

作品全体にまるで墨を吹き付けたかのような黒い焦げが出ています。

その中に信楽土の特徴である長石の粒や、 備前焼と同じ黄胡麻等が混じっています。

高温焼成らしい艶のある光沢を帯びており、乾いていてもまるで濡れているかのようです。

 

fb.sozansigarakigui201708075.JPG
fb.sozansigarakigui201708076.JPG

カルデラのような力強い土の隆起が見事です。

 

そしてやはり特筆すべきは備前焼を始めとする茶陶の名人として、

その名を轟かせた素山先生だからこそ出来る極上の高台削りでしょう。

胴の作行自体が信楽土の魅力を引き出すように、とても厚手でどっしりとした造りとなっており、

その胴の重厚さを足元に据えて、抉り込むように力強い高台削りで全体をまとめ上げています。

童仙房と呼ばれる耐火土の団子を四つ設置して正位置で焼き上げられており、

これにより丁度施釉等の土見せの如く高台内の土の力強い表情が見られるようにしています。


ざっくりとした土質が素山先生が得意とするゆっくりとした力強い箆入れにより、

土の中の長石粒が立ち上がりながら土が削り落とされて、

まるで溶岩が隆起して生まれたカルデラのような表情の高台になっています。

愚直なまでにシンプルな胴の造りが、高台の爆発するような立ち上がりへと収束していく様は、

さながら良質の映画が素晴らしい導入部分から始まり、

物語を徐々に紬ぎながら結末へと向けてヒートアップしていくかのようです。


これは素山先生が作陶においての土作り、轆轤仕事、高台削りを別々の三つの仕事とせず、

一本の道のように最初から最後まで繋がった一つの仕事として取り組んでいたからでしょう。

土の特性や秘めたる力を知りつつ、それを生かすように土を作り、

作品全体が一つに調和することを目指して徹頭徹尾己の仕事を全うしています。

便利さが時に何もかもを置き去りにして進んでいく現代社会において、

これほどまでに心のこもった気持の良い仕事っぷりは流石巨匠と呼ばれた素山先生らしいです。

「自分に出来ることを、精一杯全うしなさい」と教えられているようです。

 

(金重素山/信楽酒呑 まこと識箱) 

size:径6.7cm×径6.6cm×高さ5.5cm price: 売約済


作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

梅雨の時期ということもあり、蒸し暑い日が続いておりますね。

紫陽花や桔梗など季節の花を愛でつつ心涼やかに過ごしたいものです。


さて、6月末より伊部駅隣の備前市立備前焼ミュージアムにて、

「細工物のきのう・きょう・あした」展が開催されております。

タイトルの「きのう・きょう・あした」の言葉通りに、

古来からの細工物の名品に加えて、近代巨匠の遺した名品逸品、

そして備前焼の明日を担う現代陶工たちの作品を一堂に展示しております。


備前細工物の名手、島村 光先生が中心となって本展を企画されており、

「この若手たちが紡ぐ輝かしい未来が楽しみでなりません」と仰られていました。

これまでの細工物展における「きのう」に重点的に着目したものではなく、

「きょう」を見つめ直し、「あした」へと繋いでいく素晴らしい展示会となっております。


本展のパンフレットにミュージアム館長の臼井洋輔氏の挨拶文が掲載されており、

そこには現在主流となっている陶器という器ものの先祖である縄文式土器と、

細工物の先祖である土偶とはほぼ生み出された時代に差がないことが記されています。

かたや煮炊きや収穫と採集に使用する生活の要として土器を使用する傍らで、

人々は細工物に祈りを捧げ、願いを込め、精神の支えとしていたのです。


器として用を全うする使命を帯びて生み出されたものが陶器ならば、

細工物は心を満たす、心を形にするという使命を帯びて生み出されたように感じます。

美味しいお酒を注ぐことも、絶品の料理を盛り付けることも適わず、

されど名工たちの矜持と遊心が何十年何百年の時を経ても見る者の心を打ち震わせます。

自分自身改めて細工物の存在意義について考えを改めようと反省しております。

下記に詳細な日程などを書いておりますので、是非皆様足をお運び下さいませ。


issooiuma20170704blog6.jpg
issooiuma20170704blog7.jpg

 

【日程】

6/29(木)~9/3(日)まで ※休館日月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は翌日)

9:00~17:00(入館は16:30まで)

【場所】

備前市立備前焼ミュージアム1階2階

〒705-0001 岡山県備前市伊部1659-6

TEL.0869-64-1400 FAX.0869-63-8300

【入館料】

大人500円 高校生・大学生300円 中学生以下無料 ※20名以上の団体は100円割引

藤田哲英先生の作品が入荷しました

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

本日は新進気鋭の若手作家、藤田哲英先生の作品をご紹介したいと思います。

ちょうど先日、お客様と藤田先生の工房へお伺いする機会があり、

その際に別冊炎芸術の備前特集号掲載の象嵌花器と、

山陽新聞社発行の備前焼作家・窯元名鑑掲載の象嵌水盤を頂いてきました。


藤田先生は2007年の倉敷芸術科学大学の大学院修了後に独立され、

牛窓に登り窯を築かれ線象嵌の作品などを中心に発表されている注目の若手作家です。

今回の作品二点も特徴的な線象嵌により加飾されており、

備前焼の素朴な肌合いの中に幾何学的な象嵌が合わさってとてもお洒落です。

いつもの見慣れた備前の肌が何か別のモノへと変貌したかのように、

新しい備前焼のカタチとしてとても新鮮で瑞々しく映ります。

また、どちらもかなり大型の作品ですが、とても丁寧に造り込まれており、

美しく整った土肌はただそれだけで美しいと感じさせてくれます。

 

備前線象嵌花器

hujitasuiban.blog201706131.jpg
hujitasuiban.blog201706132.JPG

登り窯らしい炭桟切り模様が、象嵌の幾何学的な模様と合わさり、

静と動のような対比となって見慣れた桟切りがとても斬新に感じます。 ※こちらの作品は売約済です。

 

緋色線象嵌水盤

hujitasuiban.blog201706133.JPG
hujitasuiban.blog201706134.JPG
hujitasuiban.blog201706135.JPG
hujitasuiban.blog201706136.JPG
hujitasuiban.blog201706138.jpg

こちらも見慣れた備前焼の肌が白と黒の象嵌で、全く新しい表情を見せています。

非常に大型の水盤ですが、緻密に織り込まれた象嵌の肌自体に見応えがあり、

そのまま飾っても楽しめます。


(藤田哲英/緋色線象嵌水盤 共箱) 

size:径約50cm×径約50cm×高さ約9cm price: ¥216,000


作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ

金重まこと先生の備前鍔口花入のご紹介

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

先日岡山県でも梅雨入りが発表され、いよいよ本格的な梅雨到来ですね。

裏庭の筍もこの時期になるとあっという間に伸び上がっていて驚かされます。

そんな筍のように真っ直ぐに伸びた気持ちの良い花入をご紹介したいと思います。

当店にて販売させて頂いたものですが、お客様のご厚意により撮影させて頂きました。

 

makotohanaire20170609blog1.JPG
makotohanaire20170609blog2.JPG

力強い箆とカセが一つなっており、金重 愫先生らしい世界観を持っています。

 

makotohanaire20170609blog3.jpg

別冊炎芸術の備前特集号に掲載された花入です。


酒器の名人として人気の金重 愫先生の備前鍔口花入です。

非常にダイナミックな造形となっており、かなり大きな粘土塊から上部分を一気に引き伸ばし、

厚みのある状態で残った下部分も、ごっそりと箆で粘土を削り取っています。

「鍔口」と呼ばれる大きく開いた口縁部の作りも粘土の広がりがとても力強いです。

分類としてはやや小型にですが、伸びやかでエネルギッシュな造形が小ささを感じさせません。


また、景色も極上のカセ窯変となっており、裏も表も見応えがあります。

お酒好きの方などはついついお酒を擦り込んで育ててやりたくなるのではないでしょうか。

緋色の発色が大変素晴らしく、花を活けずともずっと眺めていられる楽しさがあります。

これから暑い夏を迎えますが、今夏も楽しみな窯出しが続きますので是非ご期待下さい。

(今後の新作入荷予定は伊勢崎 淳先生とお弟子さんの曽我 尭先生です)

金重有邦先生の作品が入荷しました

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

皆さんこんにちは、如何お過ごしでしょうか。

本日は金重有邦先生の新作が入荷しましたので、

その中から一部おすすめの作品をご紹介させて頂きたいと思います。

今回の窯焚きでは久しぶりの登り窯による窯変を狙われたということで、

灰被り窯変やカセ胡麻の出た酒器を中心に頂いてまいりました。

また、本日4月12日夜20時のHP更新では金重有邦先生の父である、

金重素山先生の若かりし頃の徳利を出品致しますので是非併せてご覧下さい。

 

yuhokama.JPG

見事な古備前の大甕が出迎えてくれる伊部牛神下窯です。

 

金重有邦先生は現在、金重素山先生が遺した伊部牛神下窯を受け継ぎ作陶されています。

いつもお邪魔した際には、有邦先生自らオリジナルブレンドのコーヒーを淹れて下さいますが、

このコーヒーが非常に美味しく、コーヒー初心者の私でも分かるほどコクと深みがあります。

何度も何度もコーヒーショップの方と調整したらしく、こだわりの強い有邦先生らしいです。

 

yuhosyukiblog201704120.JPG

十年以上の時を経て再び手掛けられた登り窯による窯変の作品です。


以前冬に有邦先生とお会いした際には久しぶりの窯変がどう出てくるか、

少し緊張したような面持ちであったのがとても印象に残っています。

有邦先生は「これぞ金重」といった窯変やカセ胡麻を今回焼成されるまでに、

山土を使った作品を主体に発表されており、実に十年の以上の期間を要しています。

有邦先生の山土作品を初めて拝見した際には大変衝撃を受けたことも覚えています。

その後二年程前から再び田土の作品に「帰って」独特の作風を発表されています。

備前最高の観音土を敢えてサヤに入れて窯変を避けることで、

土が内包する様々な色合いを剥き出しの肌の上に呼び起こしたものでした。

備前焼に対して常に「死生観」の表現を求めてきた有邦先生は、

備前土の中に眠る命や生命を手探りで探し、

また命の光あれば必ず生まれる死の闇をも同時に表現されていたように感じます。


そんな中で敢えてご自身の陶芸生活のスタートラインとも言うべき、

金重一門伝統の登り窯の窯変を再び表現される意味とは何でしょうか。

初めてお会いした際に有邦先生は少しはにかんだような様子で、

「俺は陶陽・素山の真似事をさせるととても上手いよ」

「だけど、やはり自分の作りたいものを作ってみたいんだ」と語って下さいました。

その時の印象ですが私たちに語りかけながらも、

実際にはまるで自分自身に対し問い掛けをしておられるようで、

自問自答を繰り返しながら己の中へ深く深くダイブしていくようでした。

十人十色、千差万別それぞれ人の数だけ様々な作陶スタイルがあり、

それらに触れられることもまた陶商の喜びの一つではありますが、

有邦先生にとっての陶とはある種の自己探求の手段の一つでありつつ、

また自身の血の中に宿る解き明かすべき命題、宿命であるように感じました。

無限に続く問い掛けの中で、十年以上の時を経て金重一門らしい窯変を再び手掛けられ、

有邦先生は新たな答え、そして新たな問いを手に入れられたのではないでしょうか。

 

伊部瓢徳利

yuhosyukiblog201704121.JPG
yuhosyukiblog201704122.JPG
yuhosyukiblog201704123.JPG
yuhosyukiblog201704124.JPG
yuhosyukiblog201704125.JPG
yuhosyukiblog201704126.JPG

有邦先生と言えばやはり瓢徳利ではないでしょうか。

本作は非常に小振りかつ細身であり、消え入るような存在感が見事です。

窯変は立ち姿とは逆に、熱を帯びたような緋色と黒銀の灰被りとなっています。

花入れのミニチュアのような格調高い雰囲気があり、一輪活けとしても使用できそうです。

 

伊部ぐい呑

yuhosyukiblog201704127.JPG
yuhosyukiblog201704128.JPG
yuhosyukiblog201704129.JPG
yuhosyukiblog2017041299.JPG

自他共に認める下戸である有邦先生のぐい呑です。

茶陶の名人として評価が高い有邦先生らしく、

非常に洗練された雰囲気があり、ぐい呑として遊びや広がりがあるというよりも、

茶碗のように内へ内へと収束するような端正さや静けさを感じます。


(金重有邦/伊部瓢徳利 伊部ぐい呑 共箱制作中) 

瓢徳利 size:径6.8cm×径6.7cm×高さ13.0cm 容量120cc price: 売約済

 

ぐい呑 size:径6.3cm×径6.2cm×高さ4.1cm price: 売約済


作品の詳細な画像などは下記までお問い合わせ下さい。

Tel 0869-67-2210 Fax 0869-67-2220

川口陶楽苑へのメール(クリックするとメール送信画面になります)

川口陶楽苑のHPへ