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藤原 啓 作 「備前徳利」
(商品No. 6322)
200,000 円(税込)
売約済
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■作品の特徴
豪放磊落で優しさが滲み出るような温かな作風で万人に愛された、藤原 啓先生の備前徳利です。
焼成や造形などから見て藤原 啓先生の中期頃の作品と思われ、
「第四回 藤原 啓先生備前新作陶展」のパンフレットが同封されており個典出品作と思われます。
同封のパンフレットに掲載された啓先生の挨拶を見ると、
当時古備前に比べて窯変が多いと指摘されたことが掲載されており、
なるほど、と合点がいく見事な灰被り窯変となっています。
こってりとした灰被りはまるで濡れているかのように滑らかで、
たしかに古備前には無い焼き上がりではありますが、
パンフレットの中の啓先生の「その人の洗練された個性」という言葉通り、
酒豪が手掛ける徳利にピッタリの焼き上がりではないかと思います。
柔らかで吸い付くような灰被り窯変は「早く酒を塗ってくれ」と言わんばかりであり、
所々に出た抜けも酒席を盛り上げる最高の景色となっています。
造形の面でも初期作の特徴がよく出ており、
啓先生独特の蕪型の原点である事が伺える、
古備前と同様のシルエットの伝統的な蕪型になっています。
古備前への敬愛と陶芸家としての矜持がぶつかり合いつつ、
皆から慕われた一人の呑兵衛「啓さん」がその仲を取り持った徳利です。■作品の概容
共箱(薬籠蓋)
口縁3.9cm×胴径9.7cm×胴径9.7cm×高さ15.0cm 容量 約460cc
■作品画像
※お客様のお使いのパソコン、使用時の環境等で写真と実物が若干異なる場合がございます。予めご了承下さいませ。
公開日時:2021-08-12
■作者(藤原 啓)について
藤原 啓先生(1899年〜1983年 岡山県備前市生まれ)は、
備前市穂浪在住の国文学者 正宗敦夫氏の進めで備前焼の道へ入られました。
三村梅景氏にろくろ成形などの手ほどきを受け、
1941年からは備前焼一人目の人間国宝の金重陶陽先生に焼成法などを学びました。
作品制作にあたっては鎌倉・室町期の古備前の雑器に見られる素朴さや豪放さに憧れ、
技術に頼らない豪放磊落かつ単純明快な作風を確立されました。
詩人を目指していた若い頃に吸収した芸術に対する教養が作品に影響を及ぼしています。
1954年には備前焼二人目の国指定重要文化財保持者となり、1958年には日本工芸会理事に就任されました。
1977年に長男藤原 雄先生と共に岡山県備前市に藤原啓記念館を設立しました。
主な受賞歴・・・岡山県文化賞、山陽新聞賞、中国文化賞、備前市名誉市民、岡山県名誉県民、没後従五位勲三等瑞宝章受賞
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