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金重陶陽 作 「備前茶碗」
(商品No. 6533)
700,000 円(税込)
売約済
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■作品の特徴
初代人間国宝にして偉大なる備前焼中興の祖、金重陶陽先生の備前茶碗です。
陶印が比較的長めの「ト」になっていることから、
昭和30年前後に制作された晩年期の作品であると思われます。
金重陶陽先生が晩年期によく使用されていた観音土の中でも、
とりわけ鉄分の少ない部分を集めて使用されており、
晩年期の明るく爽やかな色合いの土味を楽しむことができます。
なんといっても特徴的なのがその柔らかな土味で、
薄っすらと青色掛かった明るい灰色の土味をベースとして、
火の当たり加減によってキャラメルブラウンを経て、
輝くような光沢を持った焦げ茶色へとグラデーションしています。
焼き上げられていても尚土が息づいているようで、
香り立つような風情ある肌合いは焼物であっても、
まるで食べられるのではと錯覚させられそうになります。
また高台部分にはさり気なく緋襷が掛けられており、
難しいとされる胡麻と緋襷の美しさの両立についても見事に成功されています。
ゆったりとした見込み持ち、素直で手に馴染む優しい碗形ながらも、
高台脇の箆の入れ方は非常にスピーディかつ一切の迷いがなく、
茶碗として理想形とも言える優美さながらも風格を感じさせる佇まいとなっています。■作品の概容
共箱(四方桟・二重箱・金重晃介氏鑑定写真付き)
径12.2cm×11.8cm×高さ8.9cm
■作品画像
※お客様のお使いのパソコン、使用時の環境等で写真と実物が若干異なる場合がございます。予めご了承下さいませ。
公開日時:2022-03-11
■作者(金重陶陽)について
金重陶陽先生(1896年~1967年 備前市伊部生まれ)は、
備前焼窯元六姓の一つ金重家の分家にあたる、
金重楳陽先生の長男として伊部に生まれました。
若い頃から父楳陽先生に師事し、細工物や宝瓶で名を馳せました。
昭和初期には古備前を始めとする古陶磁の研究を重ね、
桃山期の備前焼の土味を出すことに成功されました。
その後は制作の中心を細工物から茶陶へと移されました。
川喜田半泥子先生、荒川豊蔵先生、三輪休和先生達とも交友を深め、
「からひね会」を結成されました。
備前を来訪した北大路魯山人先生やイサム・ノグチ先生と交流し、
従来の備前にはなかった新しい芸域にも挑戦されています。
江戸から明治を経て衰退していた備前焼に新風を吹き込み、
その功績から備前焼中興の祖とも呼ばれています。
1956年には備前焼初の国指定重要無形文化財保持者に認定され、
1964と1966年にはハワイ大学夏季大学講師として招かれました。
1967年には昭和天皇、皇后両陛下が備前をご訪問された際には御前制作を行いました。
主な受賞歴・・・中国文化賞、山陽新聞賞、岡山県文化賞受賞、紫綬褒章、勲四等旭日小綬章
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