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金重素山 作 「備前徳利」
(商品No. 6634)
750,000 円(税込)
売約済
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■作品の特徴
天才陶工と呼ばれた実兄の金重陶陽先生の助手としてキャリアをスタートさせ、
備前の名工として人々に愛される作品を手掛けた金重素山先生の備前徳利です。
齢五十歳の半ば頃より円山窯にて本格的に備前焼を手掛け始めた素山先生ですが、
本作は六十歳から七十歳にかけて制作された作品であると推測されます。
まず目を引くのが登り窯焼成の花形と言っても過言ではない、
灰被り窯変による濃厚な海鼠肌と緋色の抜けでしょうか。
濃厚な海鼠肌は本当に海棲生物の肌であるかのように滑らかで、
保湿成分でも分泌するかのようなその心地さはいつまでも指を這わせたくなります。
また、全面が灰被りではなく部位によってはきめ細かい黄胡麻へ切り替わり、
極上の灰被りとはまた違う鉱石のような雰囲気を持っていて飽きさせません。
そしてこの作品の最大の特徴である強烈な装飾について語るとすれば、
備前陶のような無釉焼締陶とここまでの強烈な加飾は基本的には相性が悪いですが、
前述の目まぐるしく変わる窯変や抜け、装飾自体の見事なバランス感覚によって、
まさに奇跡的に「静かで調和の取れた」作風へと収束していることに大変驚かされます。
窯変と装飾の強烈なインパクトによって気づきにくいですが、
本作は金重陶陽先生も手掛けてきた伝統的な扁壷型の造形となっており、
正面が捉えにくい独特の佇まいも強烈な装飾と作品の静かな融和に一役買っているように感じます。■作品の概容
共箱(四方桟・二重箱)
口縁3.5cm×胴径9.9cm×胴径9.2cm×高さ12.4cm 容量約340cc
■作品画像
※お客様のお使いのパソコン、使用時の環境等で写真と実物が若干異なる場合がございます。予めご了承下さいませ。
公開日時:2022-06-21
■作者(金重素山)について
金重素山先生(1909年〜1995年)は備前焼人間国宝の金重陶陽先生の実弟で、1951年頃までは一緒に作陶されていました。
その後、京都大本教への奉仕活動に従事し、備前焼以外の技法も研究されました。
1964年には岡山市円山に登り窯を築窯し独立されました。
1966年に電気窯による緋襷焼成を完成させました。
1982年には伊部に工房を移し、牛神下窯を築窯されました。
1983年に岡山県指定重要無形文化財保持者に認定されました。
1995年に逝去されました。
主な受賞歴・・・三木記念賞、山陽新聞社文化賞、文化庁長官賞、岡山県文化賞、勲四等旭日小綬章
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