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金重陶陽 作 「備前緋襷徳利」
(商品No. 6905)
1,200,000 円(税込)
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■作品の特徴
初代人間国宝にして偉大なる備前焼中興の祖、金重陶陽先生の備前緋襷徳利です。
陶印が短くなった「ト」になっていることから、
昭和30年代中頃に制作された晩年期の作品であると思われます。
昭和30年代のより洗練された美的感覚を持って緋襷を掛けており、
作品全体にグルグルと藁を巻きつけるものではなく、
伝説の天女がまとう羽衣のようにふわふわと触れては離れ、
離れてはまた絡むという絶妙な見せ方となっています。
このような上品な色気を放つ緋襷掛けを可能にしたのが、
金重陶陽先生自身が収集し育て上げた備前最良の土とも言われる、
通称観音土の秘めたる力であったことは間違いありません。
観音土は金重陶陽先生の甥である金重有邦先生曰く、
「心の底まで見透かされるような本当に恐ろしい土」であり、
それはオカルティックであったりスピリチュアルな類の言葉ではなく、
作者の意をそっくりそのまま形にできてしまう圧倒的な可塑性の高さを指します。
この圧倒的な可塑性と、清貧の中で弛まぬ努力で磨き上げられた感覚が合致し、
羽衣をまとうに足る天女のようなこの徳利を完成させました。
遠目からでも金重陶陽先生と一目でわかる独特の口縁部をふと覗くと、
口縁の内側にはまるで紅をさすような可憐な緋襷掛けがさりげなくなされており、
その胎内に酒を預かり、主人と客人をもてなす徳利という器の極致を見た気がします。■作品の概容
共箱(四方桟・二重箱・金重晃介鑑定書付き)
口縁3.2cm×胴径8.6cm×胴径8.5cm×高さ12.7cm 容量 約350cc
■作品画像
※お客様のお使いのパソコン、使用時の環境等で写真と実物が若干異なる場合がございます。予めご了承下さいませ。
公開日時:2023-04-03
■作者(金重陶陽)について
金重陶陽先生(1896年~1967年 備前市伊部生まれ)は、
備前焼窯元六姓の一つ金重家の分家にあたる、
金重楳陽先生の長男として伊部に生まれました。
若い頃から父楳陽先生に師事し、細工物や宝瓶で名を馳せました。
昭和初期には古備前を始めとする古陶磁の研究を重ね、
桃山期の備前焼の土味を出すことに成功されました。
その後は制作の中心を細工物から茶陶へと移されました。
川喜田半泥子先生、荒川豊蔵先生、三輪休和先生達とも交友を深め、
「からひね会」を結成されました。
備前を来訪した北大路魯山人先生やイサム・ノグチ先生と交流し、
従来の備前にはなかった新しい芸域にも挑戦されています。
江戸から明治を経て衰退していた備前焼に新風を吹き込み、
その功績から備前焼中興の祖とも呼ばれています。
1956年には備前焼初の国指定重要無形文化財保持者に認定され、
1964と1966年にはハワイ大学夏季大学講師として招かれました。
1967年には昭和天皇、皇后両陛下が備前をご訪問された際には御前制作を行いました。
主な受賞歴・・・中国文化賞、山陽新聞賞、岡山県文化賞受賞、紫綬褒章、勲四等旭日小綬章
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