金重陶陽 作 「備前緋襷徳利」(商品No. 6905) |
1,200,000 円(税込)
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初代人間国宝にして偉大なる備前焼中興の祖、金重陶陽先生の備前緋襷徳利です。
陶印が短くなった「ト」になっていることから、
昭和30年代中頃に制作された晩年期の作品であると思われます。
昭和30年代のより洗練された美的感覚を持って緋襷を掛けており、
作品全体にグルグルと藁を巻きつけるものではなく、
伝説の天女がまとう羽衣のようにふわふわと触れては離れ、
離れてはまた絡むという絶妙な見せ方となっています。
このような上品な色気を放つ緋襷掛けを可能にしたのが、
金重陶陽先生自身が収集し育て上げた備前最良の土とも言われる、
通称観音土の秘めたる力であったことは間違いありません。
観音土は金重陶陽先生の甥である金重有邦先生曰く、
「心の底まで見透かされるような本当に恐ろしい土」であり、
それはオカルティックであったりスピリチュアルな類の言葉ではなく、
作者の意をそっくりそのまま形にできてしまう圧倒的な可塑性の高さを指します。
この圧倒的な可塑性と、清貧の中で弛まぬ努力で磨き上げられた感覚が合致し、
羽衣をまとうに足る天女のようなこの徳利を完成させました。
遠目からでも金重陶陽先生と一目でわかる独特の口縁部をふと覗くと、
口縁の内側にはまるで紅をさすような可憐な緋襷掛けがさりげなくなされており、
その胎内に酒を預かり、主人と客人をもてなす徳利という器の極致を見た気がします。
共箱(四方桟・二重箱・金重晃介鑑定書付き)
口縁3.2cm×胴径8.6cm×胴径8.5cm×高さ12.7cm 容量 約350cc
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公開日時:2023-04-03